観光PRへ「紀三井寺音頭」60年ぶり復活


新しい紀三井寺音頭が披露された

 戦後数年間、盆踊りなどで歌われた「紀三井寺音頭」が約60年ぶりに新しい歌詞や伴奏で復活し、発表会が17日、和歌山市の紀三井寺ガーデンホテルはやしで開かれた。紀三井寺観光協会の林泰行会長が、観光の低迷が続く地元を何とか盛り上げようと復活を考案。紀三井寺は3年後に開かれる「紀の国わかやま国体」のメーン会場に近く、新しい音頭とともに国体もPRしていく。

 古い歌詞には、当時紀三井寺に開通予定だった道路などが登場し、今の時代にそぐわなくなっていた。林会長は、「わかやま歌の会」会長などを務め郷土の歌謡界で活躍してきた同市の神保和彦さん(84)に声を掛け、さまざまな専門家の協力を得て音頭をよみがえらせた。

 発表会には約200人が参加。来賓の大橋建一市長は「歌は人の心と心をつなぐ役割がある。この紀三井寺音頭が多くの人に歌われることを願います」とあいさつした。歌を担当する神保さんと、歌手の山口智世さん、振り付けを担当した曲谷松子さんと曲谷さんの生徒ら30人で新音頭が披露された。

 その後、鏡開きで祝った。神保さんは「新しい紀三井寺音頭は『また聴きたい、また歌いたい、また踊りたい』と感じられる曲になってます」、山口さんは「『祭り』といえば『紀三井寺音頭』となってほしい」と笑顔。

 林会長は「国体で全国から来られる方に紀三井寺をPRしたい」と話していた。

 この日は紀三井寺貫主の前田孝道さんが5月28日、県観光功労者として仁坂吉伸知事から表彰されことをたたえて、前田さんに花束の贈呈も行われた。

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