和歌山市駅前などでムクドリ大量出没


ビルの看板設置部分に止まったムクドリの群れ

 街路樹などをねぐらにし、鳴き声やふん害などで住民を困らせるムクドリが、ことしも和歌山市内で大量に出没している。東蔵前丁の南海電鉄市駅前では、街路樹の下にふんが落ちた跡が大量に残っているが、県によると、現在、市駅前の対策の計画はないという。

 市駅前で商店を営む女性によると、3年ほど前から鳴き声などが目立ち始め、昨年は空が真っ黒になるほど大量繁殖した。ことしも夕方になると、「キュルキュル」「キューキュー」などと甲高い鳴き声が響きわたっている。

 県立自然博物館によると、近年コンクリート造りの家や工場など、ムクドリにとって住みやすい建物が増えたことが大量繁殖の要因。ムクドリの生息は、昔は県内で確認されていなかったが、十数年前から確認されるようになった。

 現在幼鳥が巣立ちを始め、一年で最も増えている時期で、「幼鳥は今後ハヤブサなどの天敵に食べられてしまうため、次第に減っていく」という。

 県は平成19年度、JR和歌山駅前けやき大通りの街路樹に防鳥ネットを設置。合わせて忌避音対策なども行い、同18年に約1万羽いたムクドリは同21年には半減したという。現在も週2~3回、委託業者がムクドリの追い払いを続けている。

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