浄国寺の蒔絵天井画が完成 海南


完成した蒔絵天井画の写真を手に笑顔の橋爪さん

 海南市黒江の漆工芸家・橋爪靖雄さん(77)が平成20年から手掛けていた浄国寺(黒江)の蒔絵天井画が完成した。 漆を使った日本で珍しい天井画の大作。 11月3、 4の両日に一般公開される。

 4年前、 荻野昭裕住職から依頼を受けた本堂左右両余間の天井画。 「四季の草花と星座」 をテーマに制作し、 22年に右の間の 「春夏」、 このほど左の間の 「秋冬」 を仕上げた。

 蒔絵一枚の大きさは縦約60㌢、 横約50㌢。 季節ごと21枚の計84枚を作り、 広さ10畳の各間天井に縦7枚、 横6枚並べている。 伝統工芸の漆工技術を駆使し、 全て手作業。 主に螺鈿(らでん)、 梨地(なしじ)、 金箔(きんぱく)を使い、 輝く星座は玉虫箔で表現した。

 完成に 「失われつつある伝統技術を下地から塗り、 加飾まで用い、 今後100年は残ると考えて作りました。 一生の仕事ができたと思います」 と達成感いっぱい。 「見に来られた方に喜んでもらいたい」 と笑みを見せている。

 2~4日に家族展  橋爪さんは2日から4日まで、 工房で家族展を開く。 橋爪さんが壁面装飾、 妻の紀久子さんが皿や器、 娘の玲子さんが装飾品や茶道具を中心に出展。 合わせて約150点の漆工芸品が並ぶ。 問い合わせは橋爪さん(℡073・483・4879)。  

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