津波訓練で3000人避難 松江地区


人で埋め尽くされた遊歩道

 和歌山市の松江地区で10日、 巨大地震による津波襲来を想定した防災訓練が行われ、 住民3000人が一斉に徒歩で集団避難した。 同地区連合自治会 (川崎敏弘会長) など主催の9回目の防災訓練で、 津波を想定したのは初めて。 避難先の広場への道は混雑し、 大勢で避難することの難しさを課題として残した。

 午前10時半、 防災行政無線で地震と津波の発生が伝えられると、 住民はそれぞれの1次避難所に集合し、 河西緩衝緑地 (海抜16㍍) の多目的運動広場を目指して移動した。

 集団が緑地内に到着すると、 広場までの遊歩道はすぐに人で埋め尽くされた。 前方の足が止まると後方の流れも止まり、 押し寄せるように人だかりができた。

 参加者は 「実際の地震の時はこんなゆっくり避難できへんで」 「みんなパニックになったらえらいことや」 などと話しながら歩いていた。

 自宅から広場まで約1㌔あるという同市松江東の上野清次さん(78)は 「これだけたくさんの人だと、 高齢者がつまずいた場合など踏みつけられないか心配ですね」。

 川崎会長(74)は 「寝たきりの人への対応や集合場所についてなど課題はたくさんあるが、 これから一つずつ解決していきたい」 と話していた。

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