中国で商標「紀州」出願 和歌山県が異議申し立て


出願された商標のイメージが酷似している「紀州へら竿」のロゴ

 県は13日、中国で「紀州」の商標登録が出願されていることが分かり、5日に異議申し立てを行ったと発表した。13日の定例記者会見で仁坂吉伸知事は「非常に不愉快な思いをしている。断固(登録を)止めたい」と強い口調で述べた。

 出願したのは「日本名人株式会社(香港)有限公司」で、「遊具用具・玩具・運動用具など」の分野への登録。県は平成22年1月から、中国・台湾での「紀州」「和歌山」の商標出願を専門会社に委託して監視しており、今回の出願が8月6日付で公告されているのを9月に発見した。

 異議は「紀州」の文字に対するものだが、公告に添えられたイメージ画像が紀州製竿組合のロゴ「紀州へら竿」の「紀州」の部分と酷似しており、県は同組合と相談の上で11月5日に異議申し立てを実施。来年2月5日までに異議の根拠を示す資料を提出した後、中国商標局が審査を行うことになる。審査には2、3年程度を要するとみられている。

 地方自治体の地名が中国で商標出願される事例は多発し、「青森」「鹿児島」などの異議申し立てが認められている。
 県は「和歌山」について、上海市の食品メーカーなど2社の出願に対して22年6月に異議を申し立て、24年3月に認められている。「紀州」についても、広州市のアルコール飲料メーカーの出願に対し22年12月に異議を申し立て、現在も審査が続いている。

 中国の商標出願は年間約140万件、台湾は約2万件あり、県は今後も監視を続け、「紀州」「和歌山」の地域ブランド保護に取り組むとしている。

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