良識ある有権者の選択 小選挙区制度に問題も

大江 康弘

 平成冬の陣が終わった。

 今回の総選挙は前回の暑い夏と違って、 寒さ厳しい冬の中での戦いだったので有権者も寒さで気合いが入り頭もすっきりまともな選択をしてくれたのだろうか、 多少はその気温も関係があろうが、 やはりこの3年余の民主党政権の軽い言葉による軽い政治、 言葉遊びが過ぎ政治の混乱や混迷をもたらしたのも、 そもそも経験の浅さからくる政権担当能力や統治能力の欠如の結果、 政権欲しさに国民を欺いたマニフェストも何一つ実現できず、 今やその言葉さえも嘘の代名詞となってしまったが、 結局、 政権交代という名の社会実験はものの見事に失敗に終わったというわけで、 このような姿が今回の選挙結果の最大の要因であろう。

 マスコミ報道は終始、 自・公の優勢が伝えられ 「逆バネ現象」 が働いて終盤は民主が有利になるのではないかと言われていたが、 こんな報道で逆バネが働くほど、 この3年間の民主党政権がやってきた罪は軽くない。

 昔、 子供の頃、 小学校の社会科で 「北極」 「南極」 という位置は地球儀で教えてもらったが、 今、 はやりの 「第3極」 などという場所はどこにあるのか教えてくれなかったので知らないが、 一体彼らはどこへ進もうとしているのか、 ただ、 テレビ、 マスコミでの人気者を集めた感は否めない。 しかも今時は市長や知事になった人が政党を作るのもトレンドらしいが、 少なくとも首長という職柄は片手間でやるような軽い職ではない。

 その点、 わが和歌山県の知事は良識もあり見識もあって、 そんな流行を追い求めることがなくありがたい。

 そのような状況の中にもかかわらず、 有権者の判断はしっかりしていた。

 やはりこの国難(ほとんど政権の無力からくる人災であるが)にあって、 しっかりと任せられる政党の基準は経験、 実績に基づいた安定感であって、 やはり自民党とそして長年、 信頼関係を築いてきた公明党にその責任を預けたのは、 まさに賢明な判断であったと心から有権者に敬意を表したい。

 同時に今回の選挙は現在の小選挙区制度の欠陥や問題点も提起した。

 二大政党制どころか、 政党名を覚えているだけでも選挙が終わってしまう(12政党が乱立)ほどの多党化現象で、 しかも小政党がキャスティングボートを握って政策が遅々として進んでいかないもどかしさ、 また所属人数が少数でも2%条項で政党交付金が得られるのはまるで税金の振り込み詐欺にも等しい。

 そして何よりも欠点は、 出たい党に先に公認候補者がいれば、 その政党からは出馬できないということ、 今回は結果が良かったからいいが、 得票総数と獲得議員数とのパーセンテージのアンバランス等々、 いずれもこの制度は議論の対象となってくるだろう。

 いずれにしても年の瀬をひかえ、 ようやく政治もしっかりした形を整え、 新しい年を迎える準備ができたことは大変喜ばしい。

 当選された、 それぞれの議員には 「愛郷無限」 ふるさとのためにも、 これからも頑張っていただけることを期待している。

 本年これが最後の投稿となりますが、 あらためて、 この一年のご指導、 ご厚情に心より感謝申し上げます。

 どうか読者の皆さまには寒さ厳しきおり、 くれぐれもお身体ご自愛いただき、 良いお年をお迎えください。

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