4月「JICAボランティア応援団」発足


帰国隊員の現状や応援方法を語り合う発起人ら

 開発途上国で活動する県出身のJICA(独立行政法人国際協力機構)青年海外協力隊などを支援する民間組織 「わかやまJICAボランティア応援団」 が4月に発足する。 和歌山市の和歌山ビッグ愛で設立発起人会が開かれ、 樫畑直尚発起人代表(県国際交流協会理事長)が 「隊員は顔の見える国際協力として世界で高い評価を得ている。 帰国隊員が貴重な体験を地域社会で生かせるよう応援したい」 と話した。

 青年海外協力隊事業は昭和40年に発足し、 今まで全国で3万7000人、 和歌山からは87人を送り出している。

 しかし、 休職してボランティアに参加することが困難な雇用慣行や、 帰国後の再就職に対する不安などから、 参加を断念する者も少なくない。 また帰国後県内に就職できず、 県外に出てしまう元隊員も多い。

 県内では最近、 職員採用における特別措置で2人の帰国隊員が県庁で仕事をし、 本年度は2人の教員が在籍したまま海外で活動しているが、 民間の休職ボランティア制度などは未整備だ。

 JICA関西の奥邨彰一市民参加協力課長は 「国際的な視野を身に付けた帰国隊員は、 最近企業が採用したがるグローバル人材だと感じる」 と話し、 発起人の1人は 「仕事を辞め大変な覚悟をして行かれ、 帰国後も就職に苦労していると聞きびっくりしました。 応援したい」 と語った。

 同様の支援組織がないのは、 全国で和歌山を含む5府県だけだった。 会長には樫畑発起人代表が就き、 4月9日に発会式を同市内で行う。 活動内容はJICAボランティアの活動を県内企業に理解してもらうための懇談会、 一般向け帰国報告会、 現地での活動情報発信など。 発起人会は今後、 賛同する会員を募っていく。

 問い合わせは県国際交流協会の木村さん(℡073・435・5240)。

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