代替の福祉施設整備へ 今月末閉鎖の「ほうらい荘」


解体後、代替施設が整備される「ほうらい荘」

 和歌山市が今月末での閉鎖と解体を決めている市民憩の家「ほうらい荘」(新和歌浦)について、大橋建一市長は13日の市議会厚生委員会で、跡地に代わりの福祉施設を整備する考えを表明した。民間から提案を募り、9月までに市の方針を示すとしている。

 ほうらい荘をめぐっては、5日の市議会代表質問で絆クラブの北野均議員が代替施設の整備や跡地利用について質問。大橋市長は「耐震診断結果を踏まえると代替施設の確保まで解体撤去の時期を遅らせるのは困難」とし、跡地利用は「急傾斜地で建築コストがかさむことから結論を出せなかった」と説明していた。

 13日の厚生委では複数の議員が「福祉と関係ない跡地利用もあり得るのか」などと指摘し、あらためて答弁を求めた。

 大橋市長は「施設の建設、運営等を民間にゆだねるPFI方式により、できるだけ早くコンパクトな福祉施設の整備を目指す」と答弁。施設存続を求める利用者や地元住民ら411人の署名や嘆願書が提出されていることも明らかにし、ほうらい荘の機能を盛り込むことを民間からの募集条件とする考えを示した。

 市福祉局によると、募集は6月をめどに行う。代替施設整備までの対策の一つとして、和歌の浦観光旅館組合などに高齢者の浴場利用の協力などを呼び掛けるとしている。
 ほうらい荘は、昭和36年建築の元旅館を市が増改築して50年12月にオープン。大浴場や食堂、カラオケなどを備えた施設で、65歳以上の高齢者や障害者手帳を交付されている人などの利用は無料。平成23年度の利用者3万473人のうち、2万9403人(96・5%)を高齢者が占めている。

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