和田川の氾濫防止へ 和歌山県が改修着手


改修工事に入ったモリサキ樋門付近

 昨年6月22日に和歌山市伊太祈曽の和田川(伊太祁曽神社前)が氾濫したこと受けて、県は今月中旬から、川の拡幅と、氾濫の原因になったモリサキ樋門の取り替え工事を行っている。県は「流下能力が高まることを期待している」と話している。

 現在のモリサキ樋門は手動式で、4枚の門を支えるための支柱が川の中に3本ある。大雨の際には、上流から流れてきたがれきやごみが支柱に引っ掛かり、川の流れを止め、氾濫の原因になっていた。

 また大雨で増水した際には、住民らが手動で樋門を開けに行き、支柱に引っ掛かったごみを取り除くなど危険な作業が必要だった。

 第1期工事は農業の取水期前の7月31日までに行い、樋門の下流10~13㍍の区間を1~1・5㍍程度拡幅。工事区間の中央に自動油圧式の可動堰を新設する。事業費は5397万円。設計は第一復建㈱(植田薫社長)=本社・福岡市=、施工は日工マシナリー㈱(岡達三社長)=本社・千葉県=。

 第1期工事完成後、取水期が終了した10月中旬ごろから、完成区間から下流20㍍、上流15㍍で第2期工事に入る。同地区の西山東連合自治会の宮脇茂会長は、「20年間、行政に働き掛けた樋門改修などがやっと着手され、工事を担当する県には感謝しています」と話している。

 同地区は昨年の和田川氾濫の際、床上浸水約40軒、床下浸水約110軒の被害を受けた。

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