南海トラフ大地震に備える 女川町長「移転場所の確保を」

門 博文

 私は「東日本大震災復興特別委員会」に所属させて頂いております。先般、委員会にて被災地よりお越し下さった各分野の皆さんに質問をさせていただきました。また後日委員会のメンバーと共に福島県にお邪魔し復旧、復興の現場を目の当たりにしたところです。皆さん前向きに取り組んでおられる一方で私たちの気づかない問題も新たに生まれているそうでこれらの問題の解決に与党の一員として取り組まなければならないと決意を新たにしました。本県も近い将来、南海トラフを震源とした巨大地震が発生するといわれています。これへの備えを政治がリーダーシップを発揮して進めなければなりません。そこで先の委員会で宮城県の須田善明女川町長からいただいた貴重な教訓を議事録より報告させていただきたいと思います。

 ○門委員 最後に女川町長にお伺いしたいんですが、復興もまだまだこれからというときにこういう質問をさせていただくのもあれなんですが、今度日本は南海トラフでまた巨大な地震が起こるとか、首都直下型の巨大な地震が起こるとかということを今我々は目の前にしております。いつ起こるかわかりませんけれども、酷な質問かもわかりませんが、三・一一の一年前ぐらいまで、もしカレンダーを戻せていたとしたら、何をやっておいたらもう少しましに、スピードアップして復興できたか、その点、もしあればお伺いしたいと思います。

 ○須田参考人 二つ三つございまして、震災後の経験を通じて思ったことでいうならば、(中略)今、いろいろこれからのことで心配されているところがございます。特に黒潮町なんかも相当高いシミュレーションが出たということで、まず命の部分でいうと、例えば避難タワーだとかあるいは避難道の整備ということがあろうかと思いますが、何か来たときにリスタートするためにどうするか。今、我々が苦労しているのは、移転場所の用地です。それは用地を見つけることもそうですが、権利者の調整。相続をしていない、地区が共有、百世帯が共有で持っている、明治時代から一切相続されていない、この手続だけでもとんでもないことなんですね。何かあった際に早く走り出せるように、津波被害と高台移転ということだけに関して言いますと、今、高台移転しろと言ったって無理だと思うんです、被災されていない状況で。個人の財産もあれば、さまざまな問題があります。ですから、もし万が一あった際の移転先になるようなところについて、用地だけでもとりあえず押さえておくということができるのであれば、すぐに伐採、造成とスタートしていけますので、一年後には宅地の供給とかも可能になってくるのではないかなというふうに思うんですね。これだけではないんですけれども、いろいろな、事前にこういうのがあればというのがございましたので、今、代表的に二つだけ申し上げさせていただきましたが、今後、折に触れて、我々もメッセージとしてそういうものを出していければというふうに存じます。以上です。

 ○門委員 貴重な御意見をありがとうございました。私の時間がもう参りましたので、これで質問を終わらせていただきます。今後ともまたよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

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