世界初、25年連続最高金賞 田端酒造


賞状を手にする長谷川社長

 1851年(嘉永4年)創業の老舗・田端酒造㈱(和歌山市木広町、長谷川香代社長)が世界一の快挙――。同社の純米大吟醸酒「羅生門・龍寿」が、世界的な食品コンクール「2013年モンドセレクション」(本部=ベルギー)のスピリッツ&リキュール部門で25年連続となる最高金賞を受賞した。25年連続最高金賞は全部門で世界初。

 長谷川社長は「25年目の賞は悲願だったが、知らせが届くまで緊張していた。全社員一丸となり取り組んできたことが評価され、大変名誉なことです」と喜びを表している。

 「羅生門・龍寿」は、紀の川源泉の湧き水と、酒米に最適な兵庫県吉川町特A地区の〝山田錦〟を原料に、杜氏(とうじ)伝統の技を駆使して醸し上げた純米大吟醸。上品で華やかな香りと、力強く深みのある味わいが特長という。上質のワインのようにフルーティーな口当たりと飲みやすさで日本酒が苦手な人にも人気を得ている。

 「羅生門」ブランドは、5代目社長で現会長の田端薫氏が「世界の人々に愛され、日本が誇れるお酒を造ろう」と発案。映画監督〝世界のクロサワ〟にちなみ、「羅生門」と名付けた酒を昭和51年に発売。以後試作を重ね、同63年に「羅生門 鳳凰」で初めてモンドセレクションに出品、金賞を受賞している。

 翌年「鳳凰」をさらに磨き上げた「龍寿」で最高金賞を受賞。併せて、最も高い得点を得た製品に与えられる「パームリーブス賞」が日本の酒類で初めて授与されている。平成15年には、15年連続最高金賞受賞をたたえる「国際優秀品質賞」も受賞している。

 「羅生門」は、世界的な日本酒ブームを背景に、日本国内はもとより欧州や米国、中国、そして東南アジアなど、世界各国に販路を広げている。

 モンドセレクションは、食品の品質向上を目的に1961年に開始された国際食品品評会で、毎年80カ国以上から約3000種類の商品が出品され、品質、味覚、包装、原材料などの観点で評価され、最高金賞・金賞・銀賞・銅賞が授与される。