新人消防士、団結誓う 紀三井寺で山林訓練


ホースを担ぎ山を駆け上がる新人消防士

 消防学校新人消防士の団結力を養う山林火災訓練が30日、和歌山市の紀三井寺裏山で行われ、新人消防士が名草山を駆け上った。

 訓練は同寺本堂の東200㍍付近の中腹から出火したと想定。新人消防士49人が、重さ15~20㌔あるホースや手動ポンプなど力を合わせて運搬。830㍍つなぎ合わせたホースから山頂に向けて放水した。

 訓練中、新人消防士らは、降り続く雨を吹き飛ばすように大きな声で合図を掛け合い任務を達成した。参加した紀美野町消防の新人消防士、角谷和紀隊員(26)は「訓練を忘れずチームワークを大切にして、現場でも頑張ります」と話していた。

 新人消防士は9月26日に消防学校を卒業し、翌日から県内各地の現場に配属される。

 過去の名草山での火災は、昭和48年3月、同49年5月、同57年3月に発生。子どもの火遊びから燃え広がったと推測されている同57年の大火災では、消防隊員と団員など434人が出動。消火作業はほぼ丸一日に及び、山の約5分の1を焼き尽くす大惨事になった。一時は寺も延焼する危険があったという。

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