和歌山地裁の新庁舎 報道に内部公開

ガラスをふんだんに使った外装 
ガラスをふんだんに使った外装 

 老朽化などから建て替え工事を進めていた和歌山地裁の新庁舎(和歌山市二番丁)で27日、業務開始を前に内部が報道陣に公開された。近い将来発生するとされている南海トラフ大地震の津波対策や、太陽光発電とLED電球を採用した省エネ、車いす用の取り外し可能な傍聴席やエレベーターを完備するなどバリアフリー構造が特長。業務開始は来年1月14日から。

 新庁舎は地下1階、地上6階の構造。建築面積が約1900平方㍍、延べ床面積が約1万1000平方㍍。建物コンセプトは「歴史と緑につつまれた日の光を感じる裁判所」。建物正面と背面には、ふんだんにガラスが使われ、和歌山城公園の緑を反映させるなど、街並みとの調和が図られた。

 津波対策では、出入り口など5カ所に鉄板やシートで高さ1㍍20㌢程度の浸水を防ぐ止水板を設置。その他、一般的には地下の書庫などに保管する裁判記録を3階以上で保管する。コンピューターサーバーも3階に設置する。耐震は、阪神淡路大震災の震度7(マグニチュード7・3)にも耐える設計。利用者の利便性向上点については、これまで同じだった刑事、民事、家裁をフロア単位に分け、裁判当事者が別の来庁者らと出会いにくくなった。法廷は、最大84人が傍聴できる大法廷などが設置された。

 森義之所長は「この新庁舎で、地域社会の要請や国民の期待に応えていくことができるように努めます」とコメントを発表した。

 設計は安井建築設計事務所(本社・大阪市、佐野吉彦社長)、施工は竹中工務店(本社・同、宮下正裕社長)。

 


広々とした大法廷

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧