紀三井寺「御成御殿」を初公開へ


紀州藩主が休息をとった上段の間㊤と仏像が安置されている大光明殿

 西国第二番札所、和歌山市の古刹・紀三井寺(前田孝道貫主)は、紀州藩主が訪れた際に使用した特別な部屋「紀州徳川家御成(おなり)御殿」を初めて一般に公開する。9月14日から12月13日までの日曜日と祝日に拝観できる。前田泰道副住職は「一年に1回か2回、現在もめったに使われない部屋です。秋の一日、当時の風情にじかに触れていただきたいですね」と話している。御成御殿の他に、国の重要文化財である仏像3体も公開される。

 御成御殿が造られたのは約250年前。藩主が休息した上段の間をはじめ、使者の間、四季の間、鶴の間の4室で構成されている。各部屋には、紀州徳川家お抱えの絵師、紀州狩野派の歴代頭領が描いた優美な襖絵(ふすまえ)が数多くあり、中には約200年前に手掛けられた貴重な作品も含まれている。

 今回、県やJRグループが行う大型観光事業「わかやまデスティネーションキャンペーン」と、紀北の社寺と鉄道会社が行う「いのりとみのり・和歌山紀北社寺キャンペーン」に協力し、御成御殿の特別拝観を実施することになった。

 本堂奥の大光明殿(だいこうみょうでん)に安置の重要文化財、梵天(ぼんてん)、帝釈天(たいしゃくてん)、十一面観音像の3体の仏像も同時拝観できる。

 公開は各日午前10時、午後2時、4時の3回実施。僧侶の案内で、大光明殿と御成御殿を回る。1回30~40分程度。受け付けは当日、同寺で。拝観料は大人700円、小中高生と70歳以上は350円(参拝料別途)。

 問い合わせは同寺(℡073・444・1002)へ。

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