「現金送れ」は詐欺 県警が啓発強化

 オレオレや架空請求などの特殊詐欺で、現金の送金をレターパックや小包などの郵送、宅配便で行わせる手口が、県内でことし発生した32件中18件(8月末現在)と半数を超える56%にまで拡大している。県警と265加盟店でつくる「県金融機関防犯対策協議会」は、現金の送付について注意を呼び掛けるポスターとリーフレットを金融機関に配布し、被害防止を図っている。

 県警生活安全企画課のまとめによると、ことし8月末現在の特殊詐欺の件数と被害額は、32件、4億151万円に上っている。これは、前年同期比2億3924万円増と、22年からの統計で過去最悪のペースという。現金送付の手口が変化している理由は、近年、各金融機関が振り込め詐欺に注意を払っており、失敗する可能性が高いことや、逮捕の手掛かりになる証拠を残すことになることなどが考えられる。

 被害者の7割近くが60歳以上の高齢層で、その半数が身に覚えのない費用などを請求される架空請求詐欺だ。

 県警は今回のリーフレットで、「レターパック、ゆうパック、宅配便で現金送れ」「犯罪になる。解決するには現金が必要」などの手口は詐欺と明記し、項目を絞り大きな文字で注意文を掲載した。各金融機関の窓口などで活用してもらい被害防止を図る。

 同課は「高齢者に人気がある西川きよし・ヘレン夫妻をモデルにし、インパクトがあるデザインなので、1人でも多くの人が被害に遭わないように関心を高められれば」と話している。

県警などが制作した啓発ポスター

県警などが制作した啓発ポスター

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