農地の洪水被害軽減へ 近畿農政局
農林水産省近畿農政局は、和歌山市、紀の川市、岩出市の3市にまたがる紀の川の両岸に形成された農地や農業用施設の洪水被害を軽減するため、排水路などの改修・新設工事を行う「和歌山平野農地防災事業所」を旧紀の川市役所貴志川分庁舎に開所し、6日、開所式を開いた。総事業費456億円。工事は平成40年度の完成を予定している。
対象の農業地帯「和歌山平野地区」の面積は4306㌶で、水稲を中心にキャベツ、白菜などの野菜や、モモ、ミカンといった果樹などを生産している。
同地区では、都市化などの土地利用の変化による農地割合の減少や、近年の台風、豪雨の発生により、農業被害が頻発。宅地の浸水被害も発生するなど、対策の必要性が高まっていた。
事業では、地区内にある5カ所の排水機のポンプ性能を3日連続雨量254㍉に対応できるように改修工事や新設工事を実施し、45㌔㍍分の排水路の拡幅や道路の下に新たな水路を埋設する。また、豪雨などで河川や水路に水が流れないよう一時的にためておく洪水調整池8カ所の改修・新設や、洪水の際に用水路のゲート操作などを行う排水管理施設を一式設置する。
開所式には関係機関や土地改良区の関係者など43人が出席。曾根則人近畿農政局長が式辞し、仁坂吉伸知事が祝辞を述べた。両氏は分庁舎の入り口に事業所の看板を設置し、関係者による記念撮影もあった。
本年度は工事の詳細設計を行い、来年度から工事に取り掛かるという。
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