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和歌山さんぽみちプロジェクト

海の国道42号を行く 伊勢湾フェリー(伊良湖―鳥羽)

 前号から国道42号について取り上げている。国道42号は静岡県浜松市西区の篠原交差点を起点に、和歌山市の県庁前交差点へ至る一般国道だが、その一部に海上区間がある。今週は、国道42号の海上区間について紹介したい。

 国道42号の海上区間は、愛知県田原市の伊良湖港から三重県鳥羽市の鳥羽港を結ぶ伊勢湾フェリーの航路。伊勢湾を沿って走る陸路では高速道路を利用しても4時間近くかかるところをわずか1時間足らずで結ぶ、生活になくてはならない航路だ。

 指定されたのは平成5年。伊勢湾をまたぎ、渥美半島と紀伊半島を東西に結ぶ高規格道路の構想による候補区間「三遠伊勢連絡道路(通称・伊勢湾口道路)」にあたることに起因する。国土交通省によると海上を渡る国道は全国で24路線あり、陸上に造られた道路や橋、海底トンネルでなくても、フェリーなどにより道路と道路を結ぶ1本の交通系統としての機能があると判断できれば「国道」に指定しているという。

 筆者もフェリーに乗船してみた。休日であったこともあり、乗用車のみならず大型の観光バスも乗船。甲板では伊勢志摩の美しいリアス海岸や小さな島々をカメラに写す乗客も多く見られた。また、船内放送で、伊勢湾の島々を紹介するアナウンスが行われるなど、退屈することのないクルーズを楽しむことができた。運がよければ、回遊するイルカの群れを観察できることもあるといい、移動手段にとどまらない、旅情をくすぐるものがある。

 伊勢湾フェリーは、閑散期でも一日8往復、繁忙期では一日13往復の運航。機会があればぜひ利用してみては。 (次田尚弘/三重)

伊勢湾フェリーから鳥羽港を望む(三重県鳥羽市)

伊勢湾フェリーから鳥羽港を望む(三重県鳥羽市)