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和歌山さんぽみちプロジェクト

国道42号と紀勢本線 唯一の平面交差「鵜殿踏切」

 前号では国道42号の海上区間にあたる伊勢湾フェリー(伊良湖港―鳥羽港)を取り上げた。紀伊半島の沿岸を走る国道42号に、まるでお供をするかのように並走しているのがJR紀勢本線だ。車体を傾けながらカーブを切り抜けていく電車を見ると、紀南地方にいる実感が湧く。

 切っても切れない関係である国道42号とJR紀勢本線だが、両者がアンダーパスやオーバーパスという形で立体交差する地点は数多くあるものの、踏切という形で平面交差する地点は1カ所しかないことをご存知だろうか。今週は、国道42号唯一の踏切である「鵜殿(うどの)踏切」を紹介したい。

 「鵜殿踏切」は三重県南牟婁郡紀宝町に位置する。熊野川を隔て新宮市と隣接する町で、踏切の近くにある鵜殿駅は新宮駅の次の駅にあたる。鵜殿駅から貨物専用の線路が駅の南方にある北越紀州製紙紀州工場まで引き込まれており、その線路の途上で国道42号と踏切交差している。

 平成25年3月までは一日1往復、貨物列車がこの踏切を通過していたが、現在は定期便の運用は行われていない。さびついた線路がそれを物語っているが、国道42号に取り付けられた踏切信号は、いまも現役で青信号をともし続けている。
    (次田尚弘/三重)

国道42号と紀勢本線が交差する「鵜殿踏切」

国道42号と紀勢本線が交差する「鵜殿踏切」