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「現代の名工」に和中さん、村田さん

伝統工芸や工業技術などの分野で卓越した技能者を顕彰する本年度「現代の名工」厚生労働大臣表彰に、県内から木製家具製造工の和中健さん（４５）＝㈱山ノ木、和歌山市西浜＝と、広告美術工の村田守さん（８５）＝コモリ美術工芸社、同市雑賀町＝が輝いた。県内の受賞者は今回含め４２人となった。

和中さんは、木製特注家具の製作において、金物を使用しない「ホゾ組み」や「アリ組み」といった木材同士の組み手の考案・加工など、高度で精密な手加工技術に優れ、卓越した技術を持つ。技術を継承するため、自社だけでなく他社の若手技能者の指導も積極的に行っていることが評価された。

村田さんは、広告物の製作に長年従事し、特に筆文字の技能に卓越している。機械化が進む中、コンピューターに依存することなく、古来伝統の筆文字を現在のニーズに合わせた個性ある造形美術を作り上げている。看板をはじめ、店舗のロゴマーク、酒造会社の商標ラベル、地名の由来を記したヒノキ材看板の書文字などの豊富な実績を持つことが評価された。

和中さんは「大変な賞を頂いたと驚いている。その名に恥じないように精進していきたいです」、村田さんは「長年やってきた天職を認めていただけたことがうれしく、光栄です」と話している。

表彰式は１０日、東京・新宿区の京王プラザで行われた。