「和歌山を元気に」 仁坂知事が3選

 任期満了に伴う県知事選は11月30日、投開票が行われ、「あたたかい県政」の継続を訴えた現職・仁坂吉伸さん(64)=無所属、自民・公明・民主・社民県連推薦=が「市民オンブズマンわかやま」事務局長の新人・畑中正好さん(62)=無所属、共産推薦=を大差で破り3選を果たした。選挙戦は仁坂県政継続の是非を最大の争点に展開されたが、有権者の関心は高まらず、投票率は39・65%にとどまった。

 今回の選挙戦は現職に与野党が相乗りし、無党派層の関心がどれだけ高まるかが注目された。仁坂さんは選挙戦で、紀伊半島大水害の経験を踏まえた防災対策や、紀の国わかやま国体などに向けて進めてきたインフラ整備などの実績をアピール。「道路も徐々に整い、これからやりやすくなる時期」と県政継続を訴えてきた。陣営は投票率50%を目標に各地で呼び掛けてきたが、圧勝ムードの広がりもあってか空席が目立つ個人演説会もあるなど、県民の関心は高まらなかった。

 畑中さんは8月、「ゆたかで住みよい和歌山県をつくる会」が擁立し、「戦争をする国づくりを進める安倍政権に県から『ノー』の声を」と出馬表明。個人演説会の参加者数も徐々に増やすなど地道に支援の輪を広げてきたが、多くの団体や首長が現職を推す中、圧倒的な組織力の差を埋めることはできなかった。

 投票が終了した午後8時、テレビで早々と「当確」が報じられると、和歌山市北汀丁の選挙事務所内は多くの支持者の拍手で沸いた。

 島正博・後援会副会長の音頭で万歳三唱し、花束を贈呈。選対本部長を務めた中村愼司・紀の川市長は「最終結果は出ていないが大変、投票率が低いよう。仁坂さんに任せておこうということだ」。自民党の二階俊博前衆院議員は「みんなで伴走して県政をもり立てよう」と呼び掛け、推薦各党の前国会議員らが祝辞を述べた。

 仁坂さんは「県内各地を回り、県政への希望と期待をひしひしと感じた。ぜひ期待に沿うような活躍をして県を元気にしたい」と語った。

 

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