同じ目線で思いやって 柳岡さん講演

 「誰もが元気になるセミナー」が2月28日、和歌山市手平の和歌山ビッグ愛で開かれ、講演や映画鑑賞などを通して約100人がより良い福祉の在り方について考えた。

 社会福祉の向上に取り組む「和歌山地域ソーシャルネットワーク雅」が昨夏に続いて開いた2回目のセミナー。「車いすの元気配達人」として全国で講演活動を行っている介護支援専門員・社会福祉士の柳岡克子(よしこ)さんが「本当の福祉とは~ 気配り・目配り・思いやり~」をテーマに講演した。

 両手足に重度の障害を持って生まれた柳岡さんは、学校の先生や友人に支えられながら過ごした幼少期から、大学在学中に手動式の車の運転免許を取得したこと、障害者卓球に出合い、全国大会で優勝したことなど、パワフルな半生を紹介。福祉については、「何かしてあげないといけない、と思うのは上から目線」と、相手と同じ目線でいることの大切さを話し、「じっくり相手を見て、何を必要としているかを見極め、思いやるのが本当の福祉」と語った。また「相手の良いところを見つける努力をして、感謝の気持ちを伝えること。ぜひ実践して」と呼び掛けた。この後、介護をテーマにした映画『かあちゃんに贈る歌』が上映され、同作の葉七(はな)はなこ監督と関西で人気の介護講師・谷崎洋美さんによるトークショーなどもあった。

 主催団体の谷正義さん(30)は「セミナーを通していろんな視点から福祉について考えてもらうことで、地域のみんなで助け合えるようなネットワークづくりのきっかけになれば」と話していた。

講演する柳岡さん

講演する柳岡さん

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