県警職員で初 稲田さんに警察功労章
信号機の運用により交通事故減少などに貢献したとして、県警交通規制課施設係担当課長補佐の職員、稲田雅彦さん(55)が全国優秀警察職員表彰の警察功労章を受章した。表彰式は東京都内で9日に行われ、警察庁の金雅仁長官から表彰状が贈られた。昭和44年の表彰開始以来、県警で47人目。警官以外の職員では初めての受章。
稲田さんは、県内1802カ所の信号機付交差点などの運用を行う交通規制業務を計22年間担当。新道路建設時には、道路を管理する国や各市町村と協議を行い、安全な交差点や道路の実現のために尽力している。
特に平成19年6月に運用が開始された和歌山市の西汀丁交差点では、青の点灯がなく、矢印のみで車の交通整理を行う県内唯一の右左折分離信号を実現。矢印で直進車のみにして歩行者を横断させることにより、右左折時の巻き込み事故を大きく減らした。同信号実現までに、東進車線に左折レーンを増設するなど、国との協議は1年半にも及んだ。
歩行者分離信号や時間差信号など、時代とともに進化する信号システムだが、稲田さんは「信号機一つで渋滞が起きれば経済活動の停滞につながるので、安全と効率の両面で信号運用を考えなければならない」と難しさを述べながらも、「信号機の操作で救える命もあるので、今後も事故減少に貢献したい」とさらなる意欲を見せた。
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