社債等の勧誘に注意 関係機関が会議

 未公開株や社債などの取引を持ち掛け、現金をだまし取る勧誘被害を未然に防ごうと、近畿財務局和歌山財務事務所で18日、「未公開株・社債等勧誘被害防止連絡会議」が開かれた。行政、警察、配送業、消費生活センターなど関係機関が集まり、最近の詐欺手口の傾向や被害状況、県民への啓発への取り組みについて情報交換した。

 未公開株や社債の購入を勧める手口は、購入代金をだまし取った後で「本件はインサイダー取引だ」と言って口止めするケースや、過去の損害を回復するために新たな金銭を要求し、被害を拡大させるケースなど、複雑、巧妙化している。

 県消費生活センターによると、平成26年上半期に同センターに寄せられた消費者相談は、前年度比152件増の3245件で、スマートフォンの普及からワンクリック詐欺や架空請求メールといったウェブサイト関連の相談が過去5年間で最多となったという。相談者は、60歳以上の高齢者層が全体の40%近くを占め、ファンド型投資商品などの詐欺的投資取引に関する相談では、約85%が高齢者層からとなっており、「誰にも相談しない高齢者が少なくない。高齢者の小さな変化に気付き、相談機関につなぐことが大切」と示した。 また、県警がまとめた26年中の特殊詐欺被害状況は、認知件数が55件で前年比8件減だったものの、被害総額は約5億6000万円で前年の約2倍となった。被害としては架空請求詐欺が31件で、郵便・宅配小包で金銭を送らせる手口が多かった。27年は2月末現在、すでに9件の被害があり、現金などの手渡しが4件となっている。県警では通報の迅速化を図るなど対策に取り組んでいるとした上で、「ことしも厳しい状況が続くとみられる」と注意を喚起した。

 同事務所の杉林雅史所長は「関係機関が一体となって、被害を未然に防止できるよう連携強化を図っていきたい。ご協力を願う」と呼び掛けた。

 同連絡会議は、平成23年3月に初会合を行い、今回で10回目となった。 

冒頭であいさつする杉林所長

冒頭であいさつする杉林所長

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