ベンチを線路と垂直に 転落防止で海南駅

 海南市名高のJR海南駅で、気分の悪くなった人がホームから線路に転落しないよう、これまで線路と平行に設置されていたベンチの向きが垂直に置き換えられた。JR西日本が転落防止を目的に進めている取り組みで県内では初めて。今後、主要駅で順次変更していくという。

 JR西日本和歌山支社によると、ホームからの転落事故は全国で約6割が酒に酔ったのが原因。JR西日本の鉄道安全研究所が調べたところ、酔客の転落事故はベンチから立ち上がり、真っ直ぐ線路方向にフラフラ歩いて、そのまま落ちてしまうケースが多いことが分かった。

 海南駅は2階建ての高架駅で、駅員の目が届きにくく、また、すぐ救助に向かえないため、酒酔いや立ちくらみに対する安全性向上へ、ベンチのリニューアルに合わせて改良。上下線のホーム合わせて48席のベンチの向きが変えられた。

 取り組みはことしに入り、新大阪駅でスタート。海南駅利用者からも「いいと思います」「妙案ですね」との声が聞かれる他、60代の女性は「転落防止だけじゃなく(グループで)話しやすくなった」と話していた。改良にはホームの幅が一定以上必要。同支社では「効果的だと考えています。紀伊田辺駅など特急停車駅を中心に順次増やしていきたい」としている。

線路に対して垂直に置き換えられたJR海南駅ホームのベンチ

線路に対して垂直に置き換えられたJR海南駅ホームのベンチ

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