3カ国語の接客シート タクシー3団体に

 県内を訪れる外国人観光客への応対に役立てようと、県内のタクシー業界3団体は、タクシードライバー向けに外国語が話せなくても文章や単語を指差して意思疎通ができる「コミュニケーション・シート」を配布した。創意工夫を凝らしたサービスの提供を通じて、外国人利用者の利便性の向上を図る。

 このシートは、訪日外国人へのタクシー業界でのおもてなしの取り組みの一環として、昨年度、大阪府、京都府、兵庫県のタクシー車両に「指差し外国語シート」の名称で配備された。乗車時、降車時をはじめ、料金の確認や到着時間など、タクシーを利用する際の会話が英語・中国語・韓国語で表記されている。

 県内では「コミュニケーション・シート」として配布。県タクシー協会、県ハイヤー・タクシー協会、県個人タクシー協同組合に所属する全1593両(県下タクシー車両の99・1%)に備える。

 ユタカ交通㈱(本社=和歌山市中之島、豊田英三社長)では、全車両に配備。まだ事例は少ないものの、乗務員からは「シートを使って会話ができた」という声もあるという。

 豊田社長は「日本のタクシーは料金が高いイメージがあるが、サービス水準は優れている。より良さを高めようとシートを配備することになった。団体旅行から今、徐々に増えてきているのがレンタカー。その次にくるのが富裕層などによるタクシーの利用。今のうちから本格運用に向けて備えていきたい」と話していた。

 県の調査によると、県内の外国人宿泊者数は25年度が21万1754人、26年度が30万3574人と増加傾向にあり、今後のタクシーの利用拡大にも期待が寄せられている。 

シートを指差しながら、コミュニケーションができる

シートを指差しながら、コミュニケーションができる

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