四箇郷北小で夢教室 元シンクロ石黒さん

 トップアスリートが小学校を訪れ、子どもたちに授業をする「夢の教室」(公益財団法人日本サッカー協会主催)が5日、和歌山市の四箇郷北小学校(貴志年秀校長)で行われ、「夢先生」として元シンクロナイズドスイミング日本代表の石黒由美子さん(31)、アシスタントとして元Jリーガーの式田高義さん(37)が同校の5年生64人と交流した。

 夢の教室は、サッカーをはじめ現役やOB・OGのトップ選手を「夢先生」として小学校に派遣し、講義と実技を通じて「夢を持つことの大切さ」「仲間と協力することの大切さ」などを子どもたちに伝えるもの。90分の授業の前半が「ゲームの時間」、後半が「トークの時間」となっており、和歌山市内の小学校での開催は7年ぶり2回目となった。

 四箇郷北小ではまず、体育館でゲームの時間。児童は手をつなぎ、式田さんが上空に投げたボールが手元に戻るまでに、決められたゴールに向かって進むゲームを楽しんだ。児童は式田さんのフェイントの仕草に苦戦しつつも、無事にゴールへたどり着き、仲間と協力する心を深めた。

 トークの時間は教室で石黒さんが授業。石黒さんは2008年の北京五輪に出場し、チーム5位入賞の実績を持つが、小学校2年生の時に交通事故で重傷を負い、記憶喪失や視野の狭小化、難聴などの後遺症と闘いながらオリンピアンの夢をつかんだ。

 授業では、事故のことやシンクロナイズドスイミングとの出合いを紹介。さらに、目標を書き、かなうと線を引き、横に「ありがとう」の文字を書いていく「夢ノート」を書き続けてきたこと、五輪選手になったと仮定して生活をしてきたことなど、諦めなければ夢は実現することを自身の体験を通して児童に話した。

 その後、代表に選ばれた児童は自分の夢を大きな声で発表。パン屋になる夢を発表した増野音和さん(10)は「石黒さんの話を聞いて驚いた。これからはできると思ってやってみる。石黒さんのように、パン屋になったと思って、家でパンや料理を作る」と話していた。

夢をかなえた体験を語り掛ける石黒さん

夢をかなえた体験を語り掛ける石黒さん

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