平和安全法制に理解を 憲法違反の指摘は当たらず

石田 真敏

【平和安全法制の必要性】
 「戦争をしやすくするため」「徴兵制をしやすくするため」など、ためにする議論があります。しかし、国会議員でそのようなことを考えている人は、一人もいないと思います。「日本を取り巻く国際状況の変化」が、放置できない状況になりつつあることが根本的な問題です。
 オバマ大統領就任以来、米国の対外政策に変化がありました。そして現在、IS、ウクライナ、中国による南シナ海での岩礁埋め立て、そして尖閣問題など、各地で緊張が高まっています。
 また中国の軍事費は20年以上増大し、今年は約17兆円(前年比約10%増)です。日本の防衛費の約5兆円と比べれば、その脅威がうかがい知れます。
 これらのことが相まって、東アジア地域における力の均衡は崩れつつあります。歴史的に国際情勢は、力の均衡の上に安定を維持し平和が築かれるのであって、均衡の崩壊は不測の事態への緊張を招いてきました。
 そこで日本の採りうる方策は2つあります。1つは、日本独自に軍事費を増大して防衛力を高めることです。しかし、これは日本の現状からして現実的でありません。もう1つは、同盟関係にある米国と力を合わせて均衡を取り戻すことです。現在、日本の採りうる最良の方策であり、これ以外にないと考えます。
 以上のような国際情勢の変化を踏まえ、平和安保法制の早期の成立が必要です。

 【憲法違反との指摘について】
 「集団的自衛権の行使が許されるのは憲法違反」との指摘が、衆議院の憲法審査会で与党推薦の参考人からなされ、大きな波紋を起こしました。これに対し弁護士でもある高村自民党副総裁は、次のような旨を指摘しています。
 「かつて、ほとんどの憲法学者は憲法9条2項により自衛隊は憲法違反と言っていた。しかし、私たちの先輩は日本が侵略されたとき『座して死を待て』と憲法が決めているはずはないと言って、自衛隊を創設した。
 そもそも憲法81条により憲法判断するのは最高裁であり、最高裁が唯一憲法9条の解釈をしたのが砂川判決だ。その中で、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために自衛権の行使ができるとした。そこに個別的自衛権か集団的自衛権かの区別はない。
 さらに最高裁は、国の存立に重大な関係のある高度な政治的事柄の憲法判断は、明白に違憲でない限りは、裁判所ではなく内閣と国会にあるとも言っている。
 複雑化する世界情勢では、他国への攻撃でも日本の存立を根底から覆す場合がある。そのような場合、集団的自衛権の行使は何ら憲法に反しない。国民の命と日本の平和を守る安全保障政策に責任を持つべきは私たち政治家であり、憲法の許す範囲で限定的な集団的自衛権の行使が必要と考え、平和安全法制を国会に提出したもので、決して憲法違反でも立憲主義の逸脱でもない」

     ◇

 以上が、私たち自民党の考え方です。国際法上集団的自衛権の行使として認められる他国を防衛するための武力の行使それ自体ではなく、あくまでもわが国の存立を全うし、国民を守るための必要最小限度の自衛の措置に限られることを、政府も明らかにしています。決して「密接な関係にある」だけで地球の裏側まで行くような集団的自衛権ではありません。
 国民のご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧

がんばってます

月別アーカイブ