県内各地にも冠水や交通の乱れ 台風11号

 16日夜から17日未明にかけて四国を北上した台風11号(ナンカー)は、県内にもがけ崩れや冠水などの被害をもたらした。同日午前10時半現在、人的被害は報告されていない。

 県危機管理局によると、がけ崩れは串本町有田、有田市山田原、広川町下津木などで発生。重機による土砂の撤去や、バリケードによる対処を行っている。

 その他、新宮市で床上浸水3棟、広川町で一部破損1棟、床下浸水10棟、高野町で倒木による電柱倒壊などがあった。

 道路は17日午前11時半現在、県内108カ所で崩土や冠水、越波などの被害があり、うち83カ所が全面通行止め(一時含む)となった。

 和歌山市内は16日、波浪、暴風、大雨、洪水、高潮警報が発表された。道路は市道加太47号線(淡嶋神社前)が越波、河西橋が強風、県道135号和歌山海南線(銀河~ファミリーマート)と市道岡崎97号線が冠水で通行止めになった。17日朝にかけて最大8世帯8人が雄湊小学校、本町連絡所など6カ所に自主避難した。

 本紙エリアは海南市下津町上の国道42号、紀の川市貴志川町の市道丸栖45号線などが、冠水などで17日早朝から通行止めになった。

 停電は県内約3030軒で発生。日高町の2020軒が最も多く、本紙エリアは海南市が約70軒、紀の川市が約10軒となっている。

貴志川沿いに排水作業を行う消防車が並ぶ(17日朝、紀の川市貴志川町丸栖)

貴志川沿いに排水作業を行う消防車が並ぶ(17日朝、紀の川市貴志川町丸栖)

 公共交通機関のダイヤも乱れた。JRは16日、特急くろしお上下計14本を運転休止。きのくに線(紀伊田辺―新宮間)は上り7本を運転休止、下りは終日運転を見合わせた。17日も特急くろしお上下計14本を運転休止。きのくに線(和歌山―新宮間)は上下ともに始発から午後3時まで運転を見合わせている。

始発からの運転取りやめを知らせる電光掲示板(17日朝、JR和歌山駅)

始発からの運転取りやめを知らせる電光掲示板(17日朝、JR和歌山駅)

 県内の南海電鉄、和歌山電鐵のダイヤに影響はなかった。

 南海フェリーは上り(徳島港発)下り(和歌山港発)ともに15日夜の8便から欠航し、16~17日は全便欠航した。JALは16日の南紀白浜空港発着便が全便欠航。17日は同空港発の計4便が欠航した。

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧