WAKAYAMA NEWS HARBOR
和歌山さんぽみちプロジェクト

【AR】きい探訪26~九度山町~

今週は、正式・特別競技のなぎなたが行われる、九度山町を紹介したい。

九度山町は人口約4600人の町。高野山の麓に位置し、富有柿(ふゆうがき)の栽培が盛ん。町の中心部には、世界遺産登録されている慈尊院や、戦国武将の真田幸村が隠棲していたとされる真田庵などがあり、語り部と巡るまち歩きを楽しむ観光客も多い。

慈尊院は816年、弘法大師(空海)が高野山を開山した際、高野山への玄関口として伽藍(がらん)を創建。庶務をつかさどる寺務所を置き、宿所や冬季の修業の場としてつくられたのが始まり。

高齢となった弘法大師の母が、現在の香川県善通寺市から息子が開いた高野山を一目見ようと和歌山を訪れ、ここに滞在。本尊の弥勒菩薩を信仰したという。弘法大師は頻繁に高野山から町石道を下り母を訪ねたといい、その頻度が「月に9度」と言われるほど頻繁であったことから「九度山」の名が付いたといわれている。弘法大師の母の御利益を得ようと、女性の来訪者が多い。

真田庵は、関ヶ原の戦いで制裁を受けた真田幸村の家族が高野山に隠棲したが、あまりの寒さで麓の九度山に庵を移し、14年間滞在。豊臣秀頼の命を受け、大坂冬の陣・夏の陣に参戦。大坂城の要所に出丸「真田丸」を築き、優れた武力で徳川の軍勢に挑んだという。来年1月から放送が始まるNHKの大河ドラマで、真田幸村の生涯が描かれることから、町内には資料館が開設される予定。

高野山と縁が深い九度山町の歴史にふれてみては。

(次田尚弘/九度山町)