就労支援の合宿プログラム 若者サポステ

家事・通学・就業をせず、職業訓練も受けていない、いわゆる「ニート」と呼ばれる若者に対し、4泊5日の合宿などで就労意欲を高める支援プログラムに期待が寄せられている。若者サポートステーションWithYouわかやま(山際和幸所長)の初企画。参加したのは、20代から30代の10人(男性8人、女性2人)。紀の川市の古民家で共同生活を送り、日中の職場体験などを通じて就労を目指している。同団体は、6割の就職実現を目標に掲げる。

支援プログラムの期間は7月6日から9月3日までの40日間。合宿は7月27日に開始した。合宿当初は不安感から心を閉ざしていた参加者も、仲間と寝食を共にすることで打ち解け、調理作業などで仲間に助けを求めるなど、協調性も生まれたという。

合宿中の職場実習では、農業や畳店の仕事体験、ケーキ工場見学などで、就労イメージを膨らませた。プログラム修了後は、同団体とハローワークの連携により、職場採用を目指した支援を行う。

実習を終え帰宅した古民家では、参加者らが輪になり、カードゲームを楽しむ姿や、協力して調理したカレーを楽しげに食べる和やかな雰囲気が見られた。

「働きたい」思い

過去の職場で上司とうまくいかずに引きこもりになったという和歌山市の男性(27)は「昼夜逆転していた生活リズムを合宿で整えて、うまく就職できれば」と意欲を見せた。

周囲のペースに合わせることができず昨年11月にアルバイトを辞めてしまった紀の川市貴志川町の女性(20)は「自分はマイペースなところがあるので、合宿で他人に合わせられるようにして、就職も頑張りたい」と希望を話した。

同センターで5年間スタッフとして、就労支援を行っている田中康之さん(29)は「自分から人に声を掛けられないなど、課題があった参加者も、合宿により心を開き、何かをつかんだようです。就職に向けて頑張ってほしいです」と話していた。

協力して調理したカレーを食べる参加者ら

協力して調理したカレーを食べる参加者ら

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