古式捕鯨の歴史伝える 県博でコーナー展
県立博物館(和歌山市吹上)常設展の一角に、9月6日まで、江戸時代の捕鯨に関する資料を紹介するコーナー展示「きのくにの古式捕鯨」が設けられている。
江戸時代以前から、熊野灘や紀伊水道の沿岸部では、回遊してきたクジラを浅瀬に追い込んで捕らえる捕鯨が行われてきた。江戸時代の初頭、太地浦では集団でクジラを追い、専用の銛(もり)を打ち込んで捕らえる突取法を用い、本格的な古式捕鯨を開始。その後は、突取法に網を併用する網取法が考案され、クジラの捕獲量が増えるようになったという。
今展では、びょうぶや専門資料など7点を展示。このうち2枚の絵巻は初公開で、最も味が良いとされたセミクジラの解体の過程や、6種類のクジラの部位の名称などが記されている。
「紀州熊野浦捕鯨図屏風」には、太地浦を中心に、熊野灘沿岸での捕鯨の様子が描かれている。クジラの種類によって捕鯨方法が違うことが分かり、クジラの陸揚げや解体風景も描写されている。同館では「江戸時代以前から行われてきた、文化としての捕鯨の歴史を知ってもらえれば」と来場を呼び掛けている。
入館料一般280円。「わかやま夏の節電アクションプラン」により8月28日までの平日は入館料半額。問い合わせは同館(℡073・436・8684)。
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