現代に蘇る名草戸畔 10月に講演と演劇で

古代、名草地方(現在の和歌山市と海南市)を治めていたとされる女性首長・名草戸畔(なぐさとべ)にちなんだ企画「紀の国の女王伝説・現代に蘇る名草戸畔」が10月10日、和歌山市和歌浦南の和歌の浦アート・キューブで開かれる。2部制で、作家・なかひらまいさんの講演と劇団ZEROによる舞台公演「名草姫」がある。

名草戸畔は「名草の長」の意味ともされ、名草地方では古くからその存在が語り継がれてきた。海南市の宇賀部神社に口伝が残るが、謎の多い人物で『日本書紀』には、神武天皇に殺されたとの記述が残されている。

作家のなかひらまいさんは昭和45年千葉県生まれ。平成17年に作家デビューし、イラストレーターとしても活躍。宇賀部神社宮司の血筋である小野田寛郎さんらを取材し、22年には『名草戸畔古代紀国の女王伝説』を出版している。

講演では、文献に書かれることなく、口承によって長く語り継がれてきた名草戸畔について、伝承と創作という観点から話す。

劇団ZEROの公演は、一族の平和のために身を捧げた名草姫と、幼なじみの名草彦との時空を超えた物語を描く。作・演出は同団代表の島田忠さん。

チケットは1000円(前売り、当日とも。全席自由)。昼の部(午後1時~)と夜の部(5時~)がある。定員は各150人。チケットは同館や和歌山市民会館、県民文化会館などで取り扱っている。問い合わせは同団(℡090・1481・0941)。

多くの謎がある名草戸畔の物語

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