「闘う土地改良」に全力 農業、国土の発展のために

二階 俊博

 今年の3月に全国土地改良事業団体連合会(全土連)会長に就任しました。全土連は全国5000余りの土地改良区を代表する大規模な全国組織です。

 全土連は、野中広務前会長を始め、有力な方々が歴代の会長を務めてこられました。私もその歴史に、重い責任を引き受けることになります。

 今回、私は「闘う土地改良」を提唱しました。土地改良は農家の指導者の皆さんの団体で、古くは室町時代や江戸時代から、水路や井堰などの水利施設の維持管理や、農地の整備のための役割を持ち、農業や農村の振興を通じて、国土を守ることを使命としてきました。現在は、高齢化や過疎化が進み、国際的にはTPPの推進など農業や農村をめぐる環境が厳しくなってきています。農業生産基盤や生活環境に手を加えることで、農業の生産性を高め、もうかる農業、自然豊かな農村を築くことが土地改良であります。

 実際、農村では、農業を取り巻く環境が厳しいからこそ、この環境を改善しようと、土地改良に対する投資意欲が現在大変高まっています。各地域から提出される事業の要望量は大変膨大なものがあります。しかしながら、民主党政権時代、平成22年度に土地改良予算が7割近く削減されました。それから苦渋の時代が続いたのですが、自民党が政権に復帰してからはこれらの予算は大幅に復活して、平成25年度には補正予算も入れて平成21年度の規模に戻りました。一応、それで各地の厳しい状況は改善されたものの、補正予算はその時々の財政事情によって左右されるため、年によって、予算総額が、相当減額されています。例えば、今年度の予算は昨年度に比べて補正予算が大幅に縮減されましたので、各県の要望額の6割前後となっていると聞いています。これでは、思い描く農業や農村の実現にほど遠いため、農家の方々が希望を持って農業に携わることが難しくなります。

 このため、私は全土連会長に就任以来、関係者の皆さんに対し、予算獲得に向け本気になって真剣に取り組んでいこうと言ってきました。最初は一部に戸惑いもあったようですが、最近は全国を挙げて、真剣に来年度予算に向けて必要額を獲得するべく機運が盛り上がってきています。さらに、来年7月には参議院選挙が予定されていますが、農林水産省から進藤金日子君が現職課長を退職して立候補することとなりました。彼は秋田県の農村出身で、土地改良に熱い思いを持っており、ぜひ、土地改良のために頑張りたいと積極的に活動してくれています。私は進藤君を先頭に全国の土地改良関係者が、かつて先人たちが一生懸命土地改良に取り組んできたことを思い出し、自分たち自らのこととして、真剣に未来の土地改良に向き合ってくれることを望んでいます。

 さて、冒頭にも述べましたが、土地改良は農業農村の整備や振興を通じて国土を造成し、維持保全することを究極の目的としています。そのためには、自分たちの国土や生活は必ずや自らが守り発展させていくという気構えが必要です。それが、われわれの先人たちが時々の時代背景の中で繰り返し最大限努めてきたことだと思うのです。現代のわれわれだけが農業の重要性から手を抜くことは許されません。私は、全国の土地改良の代表として、全国の土地改良関係者の皆さまの協力をいただきながら、来年度予算の獲得や参議院選挙の勝利に向け闘っていきたいと思います。

 まさに「闘う土地改良」です。

 皆さまのご支援をよろしくお願いします。

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