和歌山市の未来 市民と市長が意見交換

 和歌山市が市民から募集した「市の未来につながる“夢のあるアイデア”」について、提案者と尾花正啓市長との意見交換会が23日、市役所で開かれた。

 アイデアは52人が147件を提案。市は内容を「まち」「産業」「ひと」の3テーマに分類し、さらに、取り組みを目指す時期によって短期、中期、長期に分け、現時点では困難と判断したものなどを「調整が必要なもの」とし、提案者に提示した。

 意見交換会はテーマごとに行い、提案者が一人ずつアイデアを説明した。

 「まち」のアイデアでは、ぶらくり丁の空き家などをリフォームして居住スペースを確保する▽和歌山城の周囲を巡るリレーマラソンの開催▽みその商店街をマルシェ(市場)や屋台村にする▽水軒川や築地川沿いに桜を植える▽新しい市民会館で各種コンクールを実施――などの提案があり、尾花市長はいずれも前向きな姿勢を示した。

 一方、JRと南海電鉄、和歌山電鐵の相互乗り入れについて尾花市長は、県と協調して実現に取り組んでおり、線路使用料が課題となっていると説明。次世代型路面電車LRT(ライトレール)の導入については、運営コスト面の課題が大きいとして慎重な認識を示した。

 さらに、活用のアイデアが多数寄せられた伏虎中学校の合併後の跡地については、新市民会館の建設を進め、県立医科大学の薬学部誘致実現にあらためて強い意欲を見せた。

 「産業」では、市ゆかりの著名人の記念館などの建設▽和歌山下津港の拡充▽和歌浦の活性化▽徳川サミットの開催――など、「ひと」では、教育・子育ての充実▽退職者やシニア世代のスキル活用▽地区の区割り見直し▽障害者施策の強化――などのアイデアが提案された。

 提案者からは、アイデアの実現に向けて市に期待する声が上がった一方、「10年以上前から指摘されている課題も多い。早く対策を決めてほしい」など厳しい指摘もあった。

市民が尾花市長(手前)にまちづくりのアイデアを説明した

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