芽生えてきた観光の可能性 国体を契機に故郷をより良く

門 博文

去る9月27日に通常国会が終了いたしました。今回の国会は会期を95日間延長し戦後最長となり、特に会期末には安保法制の成立に向け与野党の攻防が厳しいものとなりました。皆さまもマスコミを通じご覧になったと思いますが国会周辺もデモ隊や警備にあたる機動隊などで物々しい雰囲気に包まれていました。私たち自民党は現在の日本の周辺状況の変化や世界で日本が求められている立場等を鑑み、責任と自信を持ってこの法律の成立に取り組んだところです。この問題は日常の生活とは少し離れた実感の湧きにくいテーマかも知れません。そのため「分かりにくい」や「難しい」等のお声もたくさん頂いております。これからも丁寧に説明しさらなる理解を得てまいりたいと思います。しかしただ一つ申し上げておきたいのは、日常と離れたテーマであるものの本当は日常に最も密接したテーマであるということです。「平和」とは遠い所にあるものではなく日々の暮らしが平凡に送れることが「平和」そのものであります。最近テレビなどで報道されるシリアの難民の状況また各地で繰り返される爆弾テロなど。あのような環境に置かれている人々が普通に学校や会社に通ったり家族や友人とゆっくりと食事を楽しむ余裕も安心もないことは火を見るより明らかです。平和を守るための法律、平和を守るための行動。その本質をぜひご理解いただき、共感を得てもらえるようこれからも努めてまいりたいと思います。
さて、長らく待望していました国体も全競技が終了し6日に閉会式が行われました。県外から多くの選手団や関係者を迎え成功裏に閉幕しました。本県の選手団の健闘はもちろんのこと、各会場でボランティアとして活躍された多くの地域の皆さまに心より敬意と感謝の気持ちを表します。また24日からは障害者スポーツ大会も予定されておりこちらの成功にも引き続き取り組まなければなりません。そして問題はその後。私たちはここ数年「国体のために」「国体までには…」を合言葉にさまざまな準備をしてまいりました。県営プールをはじめ多くの施設が整備され念願の道路も次々と開通しました。これらは国体を成功させるための「手段」の一つでありましたが手段が目的や目標になり変わってはいけません。施設や道路ができて良かった、良かったで終わるのではなく今後の活用を考えなければなりません。これからが正念場です。「国体は成功したけれども…」ではなくあの国体を契機に和歌山は変わった、良くなったといえる故郷にしていかなければなりません。いろいろな施設を地域の振興のためにどう活かしていくのか、道路を活用して製品や生産物をどこに売っていくのか。はたまた物流のあり方を新しくしたり観光客を県外から海外からさらに誘致していくなど、挑戦するテーマはたくさんあります。
そんな中、和歌山市で観光に関係する2つの動きがありました。一つは外国人旅行客を市内の観光バスを使って関空から誘致する事業が始まりました。「地方創生」として私が提案した事業です。先月24日に第1号のツアーがタイより来られました。バス2台のお客さまがぶらくり丁を中心に散策、買い物をされました。これからこの制度を活用したツアーがアジアを中心とした各地から次々実行される予定です。中心市街地の活性化や和歌山の観光の可能性をどんどん広げられると確信しています。そして実績をもとに来年度もより多くの予算の獲得したいと思います。
2つ目はクルーズ船「飛鳥Ⅱ」の和歌山港への寄港です。9月20日、約800人のお客さまを乗せ入港しました。一晩、港に停泊し乗客は県内各地に観光に出られました。入港・出港とも尾花市長が先頭に立って熱烈歓迎をされ、乗船されていた郵船クルーズの社長さまも大変感激をされておられました。今回は日本人のお客さまでしたが今、日本は海外からのお客さまを中心に「クルーズ100万人(年間)時代」を目指す政策を推進しています。和歌山港もその一翼を担えるようにこのチャンスを活かしていきたいと思います。
理屈やポーズだけではなく、具体的に行動をおこし結果を残していくことが大切です。これからも地方創生のために具体的に行動してまいります。

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