ピンチをチャンスに農業PR 党本部で「和歌山ふるさと市場」

門 博文

去る11月12日、東京の千代田区にある自民党本部において「和歌山ふるさと市場」と銘打って和歌山の農産物を中心にした物産販売を行いました。折しもTPPの「大筋合意」を受け農業分野への影響が心配される中、和歌山の農業のPRをするために行ったものです。この度のTPPに対しては「攻め」と「守り」、この両面で対策を講じていかなければなりません。これから日本の人口がさらに高齢化し減少していくこと、また生活の中で食の志向が変化していくことなどを考えると、ともすれば守勢一方に発想が行きがちですがピンチをチャンスに変える、今こそこの精神が肝要だと思います。そこでこんな時こそ攻勢に転じようとの発想でこの催しが企画開催されました。

当日はJA和歌山の中家会長はじめ県内の各組合長様や仁坂知事他県関係者などお客さまも含めて多くの参加者が集う中9時30分より開所式が執り行われました。政府から森山農林水産大臣、自民党の政務調査会の農林関係の幹部も多数参加下さり、開所式の進行は小泉進次郎農林水産部会長がお引き受け下さいました。出品された産物は今が旬の果物、ミカン、富有柿、そして白菜、トマト、梅干しや金山寺味噌、ミカンジュースなどの加工品など。また県産品として「羅生門」や「紀土」などの日本酒、鯨肉関連の商品など和歌山の特産品が販売カウンターに所狭しと並べられました。中でもJAわかやまのヒット商品である「和歌山ジンジャーエール」は小泉農林部会長が「私、ジンジャーエール、大好きなんですよ」と言われたので早速、試飲していただいたところ「これはおいしい。他のものに比べて味が濃いですね」とのお褒めの言葉とともに購入いただきました。合わせてのちの会議でお出しいただけるとのことでミカン、柿もたくさんご購入いただきました。ありがとうございました。

また、一般の皆さまにも多数ご参加くださいました。特に前もって東京県人会の皆さんに手紙でご案内を差し上げたところ2,3日前から電話が事務局に一本一本また一本とかかってきて場所や販売物の内容、そしてたくさん買った場合、宅配便などで発送できるのかなどのお問い合わせもいただきました。そして当日は「私は橋本市の出身の県人です」などと私たちにもお声を掛けてくれたりしてたくさんの方々が来場しご購入下さいました。販売終了後も「次回の開催予定はありますか。やる場合は知らせてほしい」など余韻を感じさせるお電話も頂戴しました。このような盛況の中、およそ昼までにミカン、柿は完売、他の生鮮野菜もほぼ完売、加工品などの売上も含めて約130万円の販売となりました。関係者からは感謝のお言葉をいただきましたが多少なりともPRに貢献できたかと思っています。また和歌山県出身で東京在住の皆さんの故郷に対する温かい思いにもふれることができました。そして冒頭にもふれましたがこれからのTPPに対する対応についてもピンチをチャンスに変える発想と取り組みが必要であると感じました。

先日、日本在住のイギリス人の友人(小西美術工藝社社長 デービット・アトキンソン氏)から貴重な話を伺いました。「私の故郷ではミカンのことを『SATSUMA』と言います。クリスマスになるとリビングルームにピラミッドのように山積みに飾り家族みんなで食べて楽しみます。なぜ『ORANGE』と言わずに『SATSUMA』というのか。それはあなた方日本人の先達、薩摩の人々が明治の時代に船に乗せてイギリスにミカンを運んで売っていた。輸出していたからこの呼び名が定着しているんです。農作物の輸出にすでに明治の時代に日本人は挑戦していた。必要に駆られてかはわかりませんが果敢に取り組んでいた軌跡がこのように残っています。今こそこの精神に学ぶべきではないでしょうか」と。「和歌山ふるさと市場」の当日、一袋500円のミカンが飛ぶように売れました。その売り子をしている最中、彼から聞いたこの話を思い出し平成の紀伊国屋文左衛門が江戸はおろか海外にまで出かけるシーンを想像していました。

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