海南で長編映画「見栄を張る」20日~撮影

 海南市、紀美野町などを撮影地にした長編映画「見栄を張る(仮)」(90分)の撮影が20日から始まる。大阪で映画制作などに取り組む団体「シネアスト・オーガニゼーション大阪」(大阪市、通称=CO2)の助成企画として、来年3月の「大阪アジアン映画祭」での上映を目指して制作。11日、海南市の海南保健福祉センターで記者会見を開き、長編初監督を務める藤村明世さん(25)が意気込みを話した。

 CO2は大阪映像文化振興事業として映像制作者の人材を発掘。全国から映画企画を募り、助成金や制作協力といった支援を行っている。CO2出身の監督には映画「ウルトラミラクルラブストーリー」の横浜聡子監督、「バンクーバーの朝日」の石井裕也監督などがいる。

 「見栄を張る(仮)」の主人公は、身よりの少ない人や人望が薄かった人のために葬式で涙を流し、故人に見栄を張らせる、今は存在しない職業「泣き屋」に就く女性。作品は、仕事、夢、人生などに対する人それぞれの「見栄」が描かれるとともに、家族の在り方について語り掛ける。

 藤村監督は東京都出身。大学時代に通っていた映画学校「ニューシネマワークショップ」で制作した短編映画「彼は月へ行った」(19分)は第36回ぴあフィルムフェスティバル、仙台短篇映画祭2014などで入選している。大学卒業後は東宝系『バクマン。』や『図書館戦争THE LAST MISSION』で制作部や助監督を経験してきた。

 会見には藤村監督や出演者が出席。藤村監督は初めての長編映画の制作に対して「自分にとって大きな挑戦になる。自分らしく頑張れたらうれしい」と話し、必ず完成させること、全国に上映すること、海外の映画祭での上映を目指すと力を込めた。

 映画には地元出演として、海南市在住の小杉利美さん(25)が主人公の友人役として出演。ことし開かれた「ふるさと海南まつり」ではイメージガールとして祭りを盛り上げた。「少しでも力になれれば。和歌山の良さが伝わる映画になればうれしいですね」と笑顔で話す。小杉さんは娘の里希(りの)ちゃん(3)と一緒に出演する。

 20日にクランクインし、1月3日にクランクアップする予定となっている。

会見に臨んだ藤村監督(右から3人目)、小杉さん㊧ら

会見に臨んだ藤村監督(右から3人目)、小杉さん㊧ら

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