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和歌山さんぽみちプロジェクト

伊勢路旅② 三重県南牟婁郡紀宝町②

前号では、ウミガメの魅力にふれられる道の駅紀宝町ウミガメ公園を紹介した。
この地域は熊野灘からの潮風と太陽の恵みを存分に受けられることから、柑橘系の果物の生産が盛ん。温暖でかつ降水量が多いことから、ミカンにおいては、早期に酸度が減少し、他の産地よりも早く食べ頃を迎え、いち早く出荷できるという特長がある。
紀宝町など東紀州の地域では、収穫されるミカンを「南紀みかん」と名付け「三重ブランド」としてその魅力を全国に発信している。実際に食べてみると、甘みと酸味のバランスが良く、濃厚な味わい。シーズンになると、道の駅をはじめ国道42号沿いに設けられた直売所や無人販売所などで広く販売されている。
また、紀宝町と隣の御浜(みはま)町を含む南牟婁郡を中心に、マイヤーレモンと呼ばれる果実が作られている。マイヤーレモンは、中国が原産で、レモンとオレンジを掛け合わせてできたもの。この地域では、国内生産量の約9割が作られ、一大産地となっている。
見た目は一般的なレモンと変わらないが、酸味が少なく味がまろやかであるのが特徴。皮が軟らかく苦みも少ないことから、スライスすればそのまま食べることもでき、レモン特有の酸っぱさがなく柑橘の良い香りが口の中に広がる。子どもからお年寄りまで親しまれる味で、筆者はレモンティーとして賞味することをお薦めしたい。
収穫時期は10月から1月ごろ。10月から11月はグリーンレモンとして、12月から1月は完熟レモンとして店頭に並ぶ。加工品の製造も積極的に行われ、ジャムやジュレとして販売されている。
新宮市内からわずか10分程度で訪れることができる紀宝町。この地域ならではの味にふれてみては。

 

完熟したマイヤーレモン

完熟したマイヤーレモン

(次田尚弘/紀宝町)