大物活動家の入国を拒否 史上初の処置、法定化も視野に

鶴保 庸介

1月19日、一通のメール。
「現在、成田空港でリックオバリーが拘束されているようです」とのこと。リックオバリーとは、ザ・コーブで主演を務めたイルカ保護活動家で、種々の違法な妨害活動を繰り返すトラブルメーカー。昨年は和歌山県内においても飲酒運転で摘発されたり、交通事故を起こしたりとまさにやりたい放題でした。

私からは早速、法務大臣にすぐに追い返してくれるよう連絡しましたが、その後、空港内で長く逗留(とうりゅう)され、一昨日、帰国の途についたようであります。遅くなりましたが、皆様にご報告します。この間、日本人弁護士2人が出てきて争う姿勢を見せた事は大変遺憾でしたが、誰を入国させるかは完全な国家の主権行為です。実際、私たちの中にも入国審査の折に様々な身体検査を受けたり、嫌な尋問を受けたりされた方々も多いことでしょう。ましてや、オバリーの場合は、毎回入国の際に観光目的、と言いながら反捕鯨活動をつづけ、これがひいては活動資金の集金につながるという点を重視すれば、撮影活動そのものが仕事であったということもできます。また、目的地として申告した南紀地方以外にも、確認できるだけでも伊豆半島や東京に「お見え」いただいているようです(わざわざ自分のブログで日本の悪口とともに発信しているのですから)。

あなたが外国で同じような活動をしてきて、当国から入国拒否されたとしたら、文句が言えるでしょうか。法治国家のルールとしてこれはあまりに当然の行為です。しかるに、時々我が国の裁判は変な判決をする。それが怖くて行政は滅多に入国拒否という強硬手段に訴えることはありませんでした。私はこれまで何度も何度も法務大臣にこうした慣例を破るよう迫ってまいりましたが、今回が初めての処置と成りました。これによって特別な事情がない限り、再度の彼の入国を拒否することになるそうです(だからこそ必ず彼は日本国内で裁判を提起してくるでしょうが)。

今後は2020年のオリンピックに向けてテロ対策がより一層重要になるデリケートな時期。当たり前の措置だと思いますが、場合によってはこれを確かなものとするため、入国拒否自由の法定化も視野に入れなければならないかもしれません。
ともあれ、太地町にやってくる大物活動家を史上初めて入国拒否した今回は、記念すべき出来事だと思います。

岩城法務大臣はじめ関係各位のご協力に感謝です。

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