和歌山が生んだ「世界津波の日」 ~「稲むらの火」の精神を世界へ~

二階 俊博

2月26日午後6時、和歌山県民文化会館大ホールは2000名をはるかに超える防災に関心を寄せてくださる県民の皆さまの熱気で溢れかえっていました。私たちの故郷が生んだ偉人・濱口梧陵の逸話である「稲むらの火」に由来する、11月5日が昨年末、国連総会において加盟国の全会一致で「世界津波の日」として制定されたことを受け、和歌山県と広川町がいわば県民大集会を主催されました。まさに、和歌山から日本全国、世界各地に向け、津波から人類の命を守る取り組みがスタートしたわけであります。

主催者である仁坂吉伸知事、西岡利記広川町長、地元選出の門博文衆議院議員をはじめ、ゲストとして来県いただいた、自民党福井照衆議院議員(高知県選出)、インドネシアに本部を置くERIA(東アジア・アセアン経済研究センター)西村英俊事務総長、外務省アジア大洋州局垂秀夫審議官、同国際協力局牛尾滋参事官、UNISDR(国連国際防災戦略事務局)松岡由希駐日事務所代表、記念講演をいただいた関西大学の河田惠昭教授に厚く御礼を申し上げます。加えて、私が10年以上の深い親交を頂戴している杉良太郎、伍代夏子夫妻にはご多忙なスケジュールを調整し、素晴らしい心の込もるあいさつをいただき、この上「稲むら太鼓」をご披露いただきましたこと、これまでの友情とともに心から感謝を申し上げたいと思います。

また、この日のうれしいニュースとして、広川町出身で濱口梧陵が創設した耐久高校の卒業生でもある、公明党の西博義元衆議院議員が「稲むらの火の館」の名誉館長に就任されました。今後、世界から注目を浴び、各国の閣僚・大使・要人の訪問を受け入れる同館の名誉館長としての西先生のご活躍を、私も長年の同志として応援させていただくことを誓いたいと思います。

私は自由民主党が野党であった2010年から政治家として和歌山県選出国会議員として一貫して「地震・津波対策」に取り組んでまいりました。当初は残念ながら関連法案に反対する方々もいましたが、2011年の東日本大震災の教訓を受け、今やこの問題に反対する方はいません。世界中で発生する自然災害から一人でも多くの命を守るために、南海地震から大切な家族や友人の命を守るために、私たち県民は力を合わせて立ち上がらなくてはなりません。和歌山県民あげて日本中、世界中のお手本となるよう日頃から教育・訓練に取り組むことが何よりも重要です。今回、広川町立広小学校の5~6年生の子供たちが「稲むらの火~津波から村を守った庄屋の話」の合唱を披露してくれました。歌詞には「地震のあとは津波が来るぞ。海には絶対近づかない。高台に直ぐ逃げろ。」とありましたが、これこそ先人が遺した尊い教訓であります。私たちにはこれを次の世代、その次の世代へと引き継いでいく責任があるということを再認識致しました。

私は国会に許可を頂き、3月末にニューヨークの国連本部において、直接各国の国連大使に「世界津波の日」の精神を訴えてまいります。そして、制定後第1回目となる今年の11月5日の取り組みに対し、世界各国の協力をお願いしてまいります。詳しくは、あらためてご報告しますが、国の内外でさまざまな取り組みを計画しています。県民の皆さまのさらなるご理解とご協力を切にお願い致します。
故郷、和歌山のために、引き続きこの問題に力の限り取り組むことを誓います。

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