東北の海のそれから 20日まで水中写真展

東日本大震災後の海を見つめた東大阪市の写真家・塩崎仁美さん(36)の展覧会「それから もう5年 まだ5年―震災後の東北―」が20日まで、和歌山市満屋のギャラリー&カフェAQUA(アクア)で開かれている。

塩崎さんは水中写真歴15年。今展では大津波で甚大な被害を受けた、岩手県大船渡市や宮城県石巻市などの海や川の様子を写した44点を紹介している。

塩崎さんは震災があった5年前の3月11日も、和歌山の紀伊大島を訪れていた。海に潜ろうとしていたまさにその時、仲間に津波警報が出ていると知らされたという。

震災からちょうど1年後に被災地を訪ね、水中を清掃するボランティア活動に参加。海底に沈むがれきに衝撃を受けながらも、小さな生き物が息づき、自然の営みが回復していることを実感し、以降も活動を続けている。

塩崎さんは「がれきの残る海だけでなく、美しい水中の世界、そのどちらも知ってもらえたら」と話す。会場には、震災後の海で順調に育つ養殖のホタテ、震災の年に産まれ、ふるさとの川に戻ってきたサケの力強い姿、三陸鉄道の列車と水中の生き物などを年を追って伝えている。

塩崎さんは「東北から遠く離れた西日本では災害への意識が薄れ、感覚に大きな隔たりがあります。水中写真を通して、できる限り東北に心を寄せてもらえたら」と呼び掛けている。

12日午後5時から塩崎さんのギャラリートークがある。午前10時から午後5時(土日・最終日は7時)まで。土日は塩崎さんが在廊。14日休廊。問い合わせは同店(℡073・463・4640)。

自然の営みを取り戻しつつある写真が並ぶ

自然の営みを取り戻しつつある写真が並ぶ

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