下落率5年連続で縮小 28年県内地価公示

土地取引の基準となる平成28年1月1日現在の地価が全国一斉に公示された。県全体の対前年平均変動率は1・8%下落(前年2・5%下落)で、住宅地・商業地ともに同4年から25年連続の下落となったが、下落率は同24年から5年連続で縮小した。170継続調査地点のうち上昇したのは32地点で、前年(17地点)の約2倍に増えた。横ばいは4地点(前年13地点)。

【住宅地】1平方㍍当たりの平均価格は4万3800円(前年比2・0%下落)で、下落率は前年(2・6%)より縮小した。

価格上昇地点は和歌山市8、田辺市2、有田川町、白浜町、上富田町各1の計13地点。横ばいは和歌山市、岩出市各1の計2地点。

最も価格水準が高かったのは7年連続「和歌山市芝ノ丁21番」で、同平均価格は14万8000円(1・4%上昇)。

道路による交通アクセスが充実している地域や、近隣に大型商業施設などがあり利便性が高い地域などで価格上昇が見られる。紀南地方の津波被害のリスクなどが懸念される地域の高台の住宅地は、依然として需要が多く、価格上昇が継続している。

【商業地】同平均価格は8万6300円(前年比1・3%下落)で、下落率は前年(2・1%)より縮小した。

和歌山市の対前年平均変動率は0・6%で平成3年以来25年ぶり、岩出市は0・7%で同7年に公示地点を設定して以来初めて価格が上昇に転じた。

価格上昇地点は和歌山市18、岩出市1の計19地点で、前年(9地点)より大幅増。和歌山市2地点で横ばいとなった。

最も高かったのは17年連続「和歌山市友田町5丁目50番外」で、同平均価格は横ばいの43万8000円。

和歌山市では景況感を反映し、市内中心部で価格上昇。同市と岩出市を除く地域では、郊外型店舗への顧客流出などにより、既成の商業地域を中心に引き続き価格は下落傾向にある。

【工業地】平均価格は2万1900円(前年比2・8%下落)で、下落率は前年(5・4%)より縮小した。

都道府県別で見た全国順位(上昇率の高い順)は住宅地が43位、商業地が27位。近畿2府4県の中では住宅地、商業地ともに6位で、いずれも前年から順位に変動はない。

調査は選定替え4地点を含め、計174地点で行われた。

17年連続で県内商業地の最高価格地点となった和歌山市友田町

17年連続で県内商業地の最高価格地点となった和歌山市友田町

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