男女の賃金格差を考えて EPD街頭啓発

 世界共通の課題である女性と男性の賃金格差を社会に訴え、不平等の解消を目指す国際的な運動「イコール・ペイ・デイ(EPD)キャンペーン」の街頭啓発が10日、和歌山市のJR和歌山駅前で行われた。

 EPDとは、1月1日に男女が働き始め、男性が1年間で得る賃金と同額を女性が手にする翌年の日のことで、日本のEPDは昨年まで4年連続で改善していたが、ことしは昨年と同じ4月10日。都道府県別でみると、和歌山は3月31日となっている。

 厚生労働省の平成27年賃金構造基本統計調査によると、日本の一般労働者の賃金は女性が男性の72・22%(県内は75・02%)にとどまっている。OECD(経済協力開発機構)諸国の比較では、日本は韓国、エストニアに次いで3番目に格差が大きい。

 EPDキャンペーンは、働く女性の国際組織BPWが進める運動で、国内はNPO法人日本BPW連合会が主催。街頭啓発にはBPW和歌山クラブ(小原智津会長)の会員や、県内の多様な分野で活動する女性のネットワーク「和歌山イコール会議」の会員ら10人が参加し、「赤字」や「レッドカード」の意味を込めた運動のテーマカラーである赤のブルゾンを着て、駅利用者や買い物客らに啓発チラシを配るなどしてアピールした。

 小原会長(59)は、男女の賃金格差の背景には、家事や子育て、介護などは女性が担うものという根強い考え方、子育て支援などが不十分で女性が仕事で力を発揮しにくい環境があるなど、さまざまな課題が存在することを指摘。「私たちの運動は賃金闘争ではありません。なぜ男女の格差があるのか、背景の事情について考え、気付くきっかけをつくりたい」と話していた。

「イコール・ペイ・デイ」を啓発するBPW会員ら

「イコール・ペイ・デイ」を啓発するBPW会員ら

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