レベル高すぎ? 近代美術館のスタンプ
県立近代美術館(和歌山市吹上)で、昨年度に引き続き行われているスタンプラリー。同館の入口で配布している専用カードを提示すれば、一つの展覧会に足を運ぶごとに手作りの印が押されるものだが、「スタンプのレベルが高過ぎる」とひそかな話題になっている。
実はこのスタンプ、作っているのは同館の受付スタッフの橋詰友理さん(42)と栗生恵里さん(38)。いわゆる「消しゴムはんこ」で、美術系の学校で学んだ橋詰さんが、それぞれの展示に合わせたデザインを考え、栗生さんがデザインカッターで彫って仕上げている。
スタンプラリーは、同館が「来館者に楽しんでもらえるような企画を」と、昨年実施。集めた数に応じて手作りの缶バッジや手ぬぐい、布製バッグをプレゼントした。
女性を中心に好評だったため、本年度も継続が決定。現在開催中の展示を含め、来年の春までに開催を予定している10の展覧会で5個、7個、9個集めるごとに、本年度は缶バッジ(小・大・特大)がもらえる(変更の可能性あり)。
スタンプの絵柄を考える橋詰さんは、展覧会の図録などをヒントに考案。「ウケを狙っているところもあり、展覧会のおまけのようなものとして楽しんでもらえればうれしいです」と話す。
中には、漢字や数字などの細かい部分もあり、周囲が〝彫り師〟と呼ぶほど手先の器用な栗生さんの腕が光る。栗生さんは「楽しみにしてくれる方も多くて、やりがいがあります」とにっこり。
同館の植野比佐見学芸員は「かなりの精度で、皆さんびっくりされます。作品を身近に感じてもらい、何度も美術館に足を運んでもらいたいですね」と話している。
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