WAKAYAMA NEWS HARBOR
和歌山さんぽみちプロジェクト

伊勢路旅⑲三重県志摩市(3)

サミットを4日後に控えた今、伊勢志摩は世界中から最も注目を浴びる観光地だ。筆者は2週間前に現地を訪れたが、すでに厳戒態勢が敷かれていた。

メーン会場となる賢島(かしこじま)とその一帯に広がるリアス式海岸は実に美しく、見る者を魅了してくれる。この景色を一望できるお薦めのスポットを紹介したい。

「横山展望台」。賢島から北西方向へ約3㌔。伊勢志摩国立公園内の標高203㍍の高台に整備され、英虞(あご)湾に浮かぶ約60の島々と、重なり合うように海へ突き出た半島を一望できる。

伊勢志摩国立公園は昭和21年に国内で13番目の国立公園に指定。伊勢志摩エリア(伊勢市・鳥羽市・志摩市・南伊勢町)を囲む東西約50㌔、南北約40㌔の地域で、紀伊半島の東端に位置する。この地域は中央構造線と仏像構造線の活断層が通り、地震活動により沈降と隆起が繰り返されたことで、リアス式海岸が形成されたという。

横山展望台の程近くにある「横山ビジターセンター」は、同公園の歴史や魅力を伝え、豊かな自然との親しみを深めてもらおうと平成11年に開館した施設。木を基調とした落ち着いた雰囲気で、散策コースの紹介や観光情報発信をはじめ、自然や文化を紹介する展示コーナーも充実。体験学習や自然観察会などの催しも積極的に行われており、リゾートや観光目的とは一味違う、伊勢志摩の魅力にふれられる試みが提供されている。横山展望台へは、近鉄鵜方駅から車で約10分。駐車場も整備。

間もなく開催されるサミット。成功を祈るとともに、この機会を通じて世界中に伊勢志摩とその周辺地域の魅力が発信され、その価値が世界中で認知されることを期待したい。

横山展望台から望む、伊勢志摩国立公園

横山展望台から望む、伊勢志摩国立公園

(次田尚弘/志摩市)