訪日外国人倍増の目標へ 故郷和歌山に無限大の可能性

門 博文

ブラジルのリオデジャネイロで行われていたオリンピックが閉幕しました。日本選手団は国民の期待に応え当初の予想を上回る41個のメダルを獲得し、数としては史上最多の成績を収めました。連日のテレビなどでの観戦で皆さんも真夏の暑い夜に寝不足が続いたのではないでしょうか。安倍総理は出場選手のみなさんに対して「素晴らしい健闘を心からたたえたい。最後まで諦めない、ひたむきな姿に本当に感動した」と称賛とねぎらいの言葉をかけられました。本当に多くの感動と誇りを与えてもらったと思います。この後、引き続き9月7日からはパラリンピックの開催が予定されています。そしていよいよ「次」、4年後の2020年は東京でオリンピック、パラリンピックが開催されることになります。

さてその2020年、政府は現在順調に増加している訪日外国人がこの年には年間4000万人に達するという目標を掲げています。またこの目標が達成されるためのさまざまな準備も着々と進められています。例えば入国審査に時間を要しないように入国審査官の増員や自動化ゲートの採用。宿泊者受け入れ確保のために「民泊」の導入の検討。また大型クルーズ船が入港できる環境を全国の港に整備するための設備投資。そして航空機の離発着枠の拡大などさまざまな準備が私たちの日常生活からは直接目に見えないところで着実に進んでいます。これに伴って和歌山にとっても大きなチャンスが広がっています。特に関西国際空港です。ご承知のようにわが国は四方を海に囲まれた「島国」です。したがって外国から人に来てもらったり私たちが外国に行く場合には車やバス、鉄道を利用するというわけには行きません。最近はクルーズ船の来航も増えてきていますが訪日外国人の来日の交通手段は全体の95%と圧倒的に航空機の利用によるものです。その航空機が離発着するのが「空港」です。日本の空の玄関口である成田空港、羽田空港は現在も超過密状態でこれ以上容量を増やしていくのが現状では大変難しい状況です。2015年現在年間約2000万人の訪日外国人があと4年で倍の4000万人を達成するためにはこの「空港問題」を解決することが最も大切な肝となります。単に倍になるといっても2000人の倍の4000人ではなく2000万人もの訪日客が純粋に増えるのですから相当な受け入れ態勢を整える必要があります。そのための関西空港の役割は大変重要であり期待されるところです。なんといっても24時間使える空港というメリットがあります。また他の空港に先んじてLCC(格安航空会社)の集積がなされています。また需要旺盛なアジアマーケットに近い。このような点に注目すればこれからこの空港に訪日外国人が集中していくことがよくわかります。また近畿には伊丹、神戸にもそれぞれ空港があり計5本の滑走路が整備されています。訪日外国人の着実な増加が見込まれるこれから、近畿が特に関空と隣接した和歌山が世界から注目される存在になるチャンスがどんどんと大きくなっています。その点を踏まえて私は先日、「国際観光都市」を目指すという観点で同志の皆さんと市内の数カ所を見学しました。国内客という観点ではなく世界からのお客さまに来てもらうという観点です。日本のアマルフィというキャッチフレーズも聴こえている雑賀崎・田ノ浦地区。片男波ビーチ。旧知のデービッド・アトキンソン氏も同行いただきましたが改めて彼の口から「素晴らしい景色。世界レベルで通用するこの環境をこのまま放っておいてはもったいない」との言葉を頂きました。また統合型リゾート、IRの誘致にも積極的に取り組むべきだとのアドバイスもありマリーナシティやコスモパーク加太も見学し和歌山の無限大の可能性を確信してまいりました。

少子化、高齢化と人口の減少が叫ばれる和歌山でありますが人を増やす、仕事を増やすという観点で他の県にないチャンスがこのように私たちの目の前に現れようとしています。現在、観光に直接関連の無い方も含めてこの可能性に県民、市民が目を向けて故郷発展の取り組みを具体的に前に進めていくべきだと感じます。

「世界から人を呼ぶ。世界中の人に来てもらう」。この点において日本の中で最も最前列に居るのが私たちの故郷、和歌山だと思います。

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