吉宗の書状など公開中 和大の古文書企画展

 和歌山大学紀州経済史文化史研究所の企画展「和歌山大学の古文書と古典籍」が22日まで、和歌山市栄谷の同所(同大付属図書館3階)で開かれている。

 同研究所と付属図書館が所蔵する古文書や和漢の古典籍約70点が並ぶ。

 展示室の奥には紀州藩初代藩主・徳川頼宣と2代・光貞、5代・吉宗の書状と家康が送った朱印状を展示。書状は現在研究中だが、朱印状は県指定文化財の紀州三浦家文書の中で最も古い文書とされている。

 朱印状以外の三浦家文書の一部も展示され、藩主の動向などを記した三浦家の儒臣・石橋生庵の私日記や、三浦家の系譜が見られる。

 紀州藩校「学習館」から引き継いだ付属図書館が所蔵する紀州藩文庫は、当時の教科書のような位置付けであることから、漢籍や地図が多い。中でも大きな「紀州御領分之図」は田辺、新宮を除いた紀州藩の領地を描いた地図で、展示では4分割の状態で見ることができる。

 他にも神野市場村の年貢免状や西浜村の名寄帳など、当時の紀州の生活や政治経済がうかがえる史料がそろう。

 1日午後1時からはシンポジウムがあり、同大が所蔵する古文書と古典籍をテーマに、同大学の研究者らが学術報告を行う。先立って午前10時からはワークショップがあり、シンポジウムの講師陣によるギャラリートークの他、「紀州御領分之図」「伊勢国抄図」の実物を広げて展示する。付属図書館のマルチルームで開催。入場無料。

 問い合わせは同研究所(℡073・457・7891)。

展示されている(左から)吉宗、光貞、頼宣の書状

展示されている(左から)吉宗、光貞、頼宣の書状

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