部落差別解消法案を審議 議員立法の提案者として答弁

門 博文

師走。

早いもので今年もあと1カ月を残すところとなりました。臨時国会は会期を12月14日まで延長し重要法案などの審議を最後まで精力的に行うこととなりました。今国会はTPP、年金法案、自衛隊の南スーダンへの派遣に関して新しく駆け付け警護の任務の付与などどれも慎重な議論の必要な案件が審議をされてきました。最後まで緊張感をもって臨んでまいりたいと思います。

さて、今年を振り返ってみますと夏には参議院選挙が行われました。18歳からの選挙権が導入され、隣県2県での合区など新しい制度が導入された初めての選挙でしたが、結果として私たち自公政権は信任を得ることができました。その上で憲法改正についても衆議院に続いて参議院でも改正の発議に必要な3分の2以上の議席が確保されました。今後は慎重な議論を重ねてわが党の党是である「自主憲法の制定」に向け国民的議論を喚起してまいりたいと思います。

また私にとっては国会議員として初めて議員立法の提出に関わらせていただきました。「部落差別の解消の推進に関する法律案」であります。年初から延べ8回、党内で合意形成のための議論を行いました。私はこの議論を行う小委員会の事務局長として働かせていただきましたがこの間、関係団体や有識者の方々からさまざまな貴重なご意見を聴かせていただき「部落差別」の歴史や経緯、そして現実、現状を理解することができました。中でも直接、地区の皆さんと意見交換をする機会があり今も残る結婚や就職、そして育児や教育などの場面でのさまざまな差別について切なる声をお聴きすることができました。これらの経過の中で何としてもこの法律を作らねばならないという決意を強くいたした次第です。旧同和三法により地域改善対策が行われた結果、地区の環境に対する物的な基盤整備が成果を上げ格差が大きく改善されたのは確かですが差別は今なお厳然と残っているという認識を新たにしました。また昨今はインターネットの普及によりネット上でも部落差別が行われるようになってきており、中には特定の地域の地名や個人の氏名が掲載されるようなことも見受けられます。「部落差別はもうなくなった」、「寝た子を起こすな」という声もあることは事実です。しかし、例えば知識のない子供たちが部落差別を新たに知りこれを人をさげすむ材料として使うようなことを決してさせてはなりません。このような考えの下、立法作業に入り法律案を作ってまいりました。文案には一文字が加えられそしてまた削られるということを何度も何度も繰り返しようやく党での法律案が5月13日に出来上がりました。その後、連立与党である公明党との協議、そして今回共同提案となった民進党との協議を経て先の通常国会に「議員立法」として提出することができました。こうしてまずは衆議院にて審議に付されましたが前国会では時間切れ継続審議となり目下、この臨時国会で審議が行われています。去る11月16日には衆議院法務委員会にて質疑を経て採決がなされ続く17日、衆議院本会議にて可決通過をしました。現在は参議院での審議が行われており私も提案者の一人として答弁台に立ち立法趣旨や経緯などについて与野党の委員からの質問にお答えをしております。何とか会期末までの成立を目指しさらなる理解を求めてまいりたいと思っております。

法律案には大きく二つのスタイルがあります。内閣が提出するいわゆる「内閣立法」とそして今回、私たちが提案した「議員立法」です。今、ブームが起こっておりますが田中角栄さんはこの議員立法を提案することこそ国会議員の本分であると言われ何と33本もの議員立法を成立させています。足元にも及びませんが議員立法の色々なプロセスを経験できたことは本当に勉強になりました。これからもしっかり頑張ってまいります。最後に来年も良き年となりますようそして皆さまのご健勝をお祈りいたします。

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