『ちょき』公開3週間 地元美容師も協力

 全編が和歌山市で撮影された映画『ちょき』は、県内先行公開の開始から3週間を迎える。今月3日には東京でも公開が始まり、今後大阪や京都、福岡など全国での公開が予定されている。映画には市民がエキストラ出演しているだけでなく、地元美容師が技術指導するなどして支えている。

 主人公・波多野直人役の吉沢悠さんに技術指導したのは、ヘアサロンjam HAIR(同市湊通丁南)の代表、小畑祐樹さん(35)。

 吉沢さんは過去に美容師役を演じた経験があることなどから、基本的なカットの仕方は学んでいたといい、小畑さんが太鼓判を押すほど。 技術的な面以外にも、映画のシーンにある、カット前の細かい動作や手順などを現場で丁寧に指導した。

 普段カットをしながらお客さんと会話する中で、人によってさまざまなドラマがあるのを感じるという小畑さん。完成した映画について「美容室に来るお客さんと、ちょきさん(吉沢さん演じる主人公)との絶妙な空気感に美容師として感動し、深い映画だと思った」と話す。

 直人が営む美容室にも小さな男の子や若い女性、スナックのママなどがやって来て、それぞれを接客する吉沢さんの演技が光る。

 吉沢さんは「金井純一監督の脚本では、いろんな年齢層のお客さんが来て、直人のキャラクターも出やすく、まちの人との近さが伝わる気がした」と振り返り、小畑さんは「ちょきさんと、一人ひとり違うお客さんとの距離感や関係にも注目してもらいたいですね」と美容師ならではの見どころを語っている。

 映画『ちょき』はジストシネマ和歌山、イオンシネマ和歌山など、県内5館で上映中。

吉沢さん㊨と美容師の小畑さん(わかやま新報本社で)

吉沢さん㊨と美容師の小畑さん(わかやま新報本社で)

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