農山漁村の優良事例 JA紀の里など選定
「強い農林水産業」「美しく活力ある農山漁村」の実現に向けて、地域活性化や所得向上に取り組む優良事例を内閣官房と農林水産省が選定する「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」に、JA紀の里(山田泰行代表理事組合長)と有田川町の㈱ふみこ農園(成戸文子社長)が選ばれ、2日に首相官邸で選定証授与式と交流会が開かれた。
第3回選定となった今回は、6~8月に全国から優良事例を公募。769地区の応募の中から30地区が選ばれた。
農山漁村の潜在能力を引き出していることが選定のポイントとなっており、JA紀の里は「直売所を核とする都市と農村の交流事業」が評価された。
ふみこ農園は「農山漁村の活性化の源となるキッチンの設立」と題した企画で、全国の量販店のバイヤーや百貨店関係者との商談の場を創設。地域の問屋業としての役割を目指すものなどとして評価を受けた。
「料理と夢を描くことが好き」という成戸社長は、深夜でも自宅の台所に立ち、新商品のアイデアを生み出すことも多く、同企画は手料理を振る舞いながら業者との打ち合わせを行うこともある自宅台所から構想を得た。「キッチン」を備えた新社屋は来年2月にオープンする予定。
グランプリには、乳製品を核に地産地消による地域経済の循環に寄与している、㈱べつかい乳業興社(北海道別海町)が選ばれた。
選定証授与式と交流会には安倍晋三首相が出席し、山田組合長や成戸社長は取り組みを説明するなどして安倍首相と懇談した。
成戸社長は「式典では人口の約40%が東京に集中していることの課題解決が叫ばれていた」と話し、「設立中の『キッチン』を県産品のPRを一層推進する拠点にしたい」と喜びと決意を語った。
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